アトランタ発第8便

2001.7.1

皆様、お元気ですか。日本はむし暑くて大変な季節ですね。九州地方の大雨や、機関砲の誤射事件などのニュースを聞き、心を痛めています。

8日にアラバマから帰って来てから、書こうと思っていましたが、忠信が、8日から十日間、オランダでの学会へ出かけてしまうことを思い出しましたので、その前にホームページに載せてもらおうと思ってパソコンに向かいました。

今、礼拝から帰ってきたところです。前に、今日はダディが説教を頼まれていると書きましたが、実は、説教の部分は教会から青年たちを連れて、ニカラグアへ短期の奉仕に行った方の報告がありました。その方には牧師の資格がないので、聖餐式についての短いお話しと、司式をして欲しいということでした。そんな依頼は初めてなので、大変だったと思いますが、昨夜は通訳をする圭三さんと打ち合わせをして臨み、皆さんに喜んでいただきました。

この教会に三ヶ月出席していますが、礼拝が、賛美・とりなし祈祷・聖餐式・説教が、四本柱のように、同じ重みでバランスよく、大切に扱われているように感じます。賛美のグループも水曜日の夜集まって、打ち合わせと練習をし、よく準備されていますし、リーダーの方のお祈りは、とても心にしみるものがあります。とりなしの時間は、多くの発言(お祈りのリクエスト)や報告があって、みんなの心が一つになったところで、先生がお祈りをなさいます。聖餐式は、毎週行なわれています。第二礼拝は人数が多いので、係りが持って回るそうですが、私たちの第一礼拝では40人くらいと少ないので、列を作って一人づつ前に出て受ける形をとっています。その時に献金のお皿の中に自由に献金を置いてくるので、献金と言う時間はありません。説教の時間は、私たちにとって一番わかりやすい時間です。説教の聖書の箇所がわかれば意味がわかるからです。

だんだんに、親しみをこめて握手を求めてくる方が増えてきました。本当に「家族」としての交わりが生まれてきているように感じます。

今日は、独立記念日(4日)直前の礼拝、ということで、一番はじめに多くの方がご存知だと思いますが、あの、“アメリカ、アメリカ”というアメリカ賛歌《AMERICATHE BEAUTIFUL》が歌われました。神様の祝福を求め、与えられている自由を喜んで、このように歌えることは本当にしあわせなことですね。

ダディは、順調に再スタートに向かって励んでおります。20日には、手術医(マーフィー先生ご自身が、前日に肩の手術を受けられたので、パートナーの先生でした)の診察があり、もう外科には来なくても良いと言われ、運転も許可されました。26日の、心臓内科・チェン先生の診察でも、心臓に関してはすべて良好、ただ、血圧が少し高かったので、薬を続けてのんで、三ヶ月後にもう一度来るようにと言われました。 

私の方も薬が少し変わったので、二週間後にもう一度チェックを受けることになりましたが元気です。処方箋の出し方が日本と違っていて面白いと思いました。私は二ヶ月分の処方箋をいただいたのですが、それを持って薬屋さんに行き、まず一ヶ月分を買うことができました。私は、6種類の薬を飲むのですが、一つずつプラスチックの容器に入っています。それに“refill(再調剤)”いうシールが貼ってあるので、次はその容器を持って行くと残りの一ヶ月分が買えます。途中で数が足りなくなったり、処方箋に書かれている期間が過ぎた時には、クリニックに電話でお願いすれば、お医者さんが薬屋さんに電話を架けてくださるので、直接薬屋に行けば買えます。診察は先生が必要と思われる時や、自分で診察を受けたいと思う時ということで、薬が切れるから診察ということはないようです。私は、この他に、先生のお勧めで子供用のアスピリンを一日に1錠のんでいます。血液を固まりにくくするためです。日本では小児用バファリンが1錠だされているそうですね。

16日に車が帰って来ました。早速、圭三さんが試運転を、ということで、ハイウェーを走って「すし横」と言うレストランに行きました。修理に時間がかかりましたが、問題なく直っているようで、新車の味わいを楽しめそうです。泥棒を防ぐための装置がついています。それは、運転席のハンドルの下に車のキーとは別に、もう一つプレートのようなキーを差し込まなければ、絶対にエンジンがかからないのです。降りるときには、二つのキーを抜いておけば、動かないだけでなく、車に近寄って怪しい動きをする者があれば、警報がけたたましく“ピーピーピー”と鳴り続けるのです。我が家の車の呼び声はまだ聞いたことがありませんが、ある土曜日、陳さんというお客さんがおいでになり、夜遅くまで楽しくおしゃべりをしていますと、この音が聞こえてきました。外へ出ようとしている時に、玄関のピンポンが鳴りました。陳さんの車のルームライトがついていると、通りがかりの人が、教えに来てくれたのです。しかし、その人が変に思って車に近づいてのぞいたために、警報が鳴ったのでした。

ところで、その次の日は「父の日」でした。夕方、友子さんのご招待で、頼子のつくるケーキが一番好きだ、と言ってくださるご主人「クリフおじさん」のために、前の日に焼いてその日仕上げた、ストロベリーとキウイのケーキを、アイスボックスにつめて、お宅にうかがいました。しばらくお話ししてから、クリフおじさんのお勧めで、新しく近くにオープンした「江戸」という日本食レストランに行きました。おじさんは行かず、エミーさんというお友達が一緒でした。父の日に、父(友子さんご夫妻は、頼子を我が子のように可愛がって下さいます)にご馳走になるという、考えると理屈に合わない話しですが、素晴らしい会席弁当や船盛りのお刺身とおすしをいただきました。デザートの時、ダディにだけ誕生祝として、アイスクリームのてんぷらをお店がサービスしてくれました。とても美味しい、父の日でした。

この日はまた、教会の父たちの中でダディが最年長で、お祝いの本とバッジをいただきました。本は、もちろん英語ですが、聖書の中で、ダディの大好きなヤベツの祈り(歴代誌T−4章)をテーマにした小さい本で、彼の祈りに励まされて祈った人々のあかしです。逆境にめげずに、神様に大胆なお祈りをして素晴らしい祝福を勝ち取ったヤベツにならって、私たちもしっかりお祈りしていきたいと思います。

ダディの運転がまだ先のことならば、どうしても、私が練習を始めなければならないというわけで、火曜日から、この近くを回り始めました。感覚も戻ってきたので、そろそろ表通りにも出ようと思っていましたら、ダディの方も先生から運転のOKが出ました。

まずは、近くの食品店(グローサリー)そして、郵便局の直接発送場所の裏にある無人のコーナーに行きました。切手を買うだけでなく、小型包装物などを自分で計って投函することができるようになっています。Kマート、ウォールマートという雑貨スーパーにも足を伸ばしています。スーパーの店先で目立つものと言えば、最近では一メートル以上はある竹の先に籠のようなものが取り付けてある(籠の中には燃料入りの缶と灯芯がセットされている)トーチです。全部、鉄製のものもあります。庭でバーベキューをするときに、これを「かがり火」として立てるようです。もっとも、薄暗くなるのは9時半頃ですが…

そう言えば、夜、外出すると車の前を「ホタル」が飛ぶことがあります。芝生のところからフワーッと飛び立つこともあります。近くに水があるというわけではないのですが。

少し前からネムの木が花盛りですが、その、小さな苗が植木のコーナーに並んでいます。有名なのはドッグウッド(花ミズキ)ですが、今年は病院以外ほとんど家にこもっていたのであまり気がつきませんでした。今はアトランタにネムの木がこんなにあったのかと驚いています。それにしても、大きな木になるネムの苗がどんどん売れるのもビックリです。また、赤、白、ピンクの百日紅もきれいに咲いています。病院の近くの柳もなつかしく見ています。  

ダディの回復に至る宿題ともいうべき日程表では、今は毎日三十分も歩かなければならないところにきています。外はかなり暑くなりました。パンフレットにもモール(中は平らだし涼しく広い)を歩くと良い、と書いてあるそうですが、やっと、一昨日27日、自分達だけでモールまで行きました。広い駐車場に囲まれて、四つのデパートがあり、それを繋ぐようなかたちでモールがあるのです。モールは一・二階吹き抜け部分を挟む形で通路があり、一階も二階も通路に面していろいろなお店が並んでいます。面白いのは、バースデーケーキならぬ大きなバースデークッキーがショーケースにズラット並んでいることです。ケーキと同じような箱もついています。モールの途中には、大きな噴水があり、すてきなベンチも置いてあって、ゆっくり本を読んでいる人も見られます。

普通のレストランでは、注文が難しいのですが,ここには、屋台風のお店が並んでいますので、ここでお昼を済ませることもあります。周りを見回すと、実にさまざまな国の人がいるようです。無邪気に遊ぶ子供たちを見るのは楽しいことです。白人の子供だけでなく、黒人の子もインド・アフリカ・中国・韓国の子もとてもかわいいです。問題が多いこの頃ですが、子供たちと楽しげにくつろいでいる親を見ると、心からホットする思いがします。

明日からは、水曜日に出かけるサマーキャンプの準備をはじめます。コンドミニアムを二つ借りてあるそうですが、どんな集まりになるのか楽しみです。もちろんお魚がいっぱい釣れるように願っています。3日目の夕食は「お刺身」が献立ですから、釣れなかったら何にもないことになります。

私は メキシコ湾を見ながら、ゆっくり、ガリラヤ湖の魚や漁師たちのことを考えたいと思っています。本も読みたいし、書き物もしたいのですが、どれだけできるでしょうか。

今、心配なのは、留守中の芝生や野菜・草花のことです。毎日、真っ黒な雲が空を覆うのですが、雨はおしるしだけという有様です。水不足で散水が制限されています。トマトが赤くなりかかっていますし、キウリもやっと、3・4本ぶら下がるようになっています。では、皆様も良い夏を、お元気でお過ごしください。御祝福を祈りつつ。

郁子

忠雄と郁子へメールを送る

アトランタアドベンチャーに戻る

日本語玄関に戻る