一麦:渡辺家のHP
アトランタ発第102便
2012 3 14
「2月は逃げ月」とか、本当にあっと言う間にすぎてしまいました。
日本はとても寒い冬だった様ですが、皆様いかがお過ごしだったでしょうか?こちらはあまり寒さを感じることもなく、昨年より暖かな冬でした。
被災された方々の寒さを思い、申し訳ない思いでした。クリスマス前から今現在まで、アメリカ人の教会では贈り物にする「毛布づくり」が盛んに行われています。やわらかい布をつなぎ合わせてつくるのだとか、私もいつか参加して覚えたいものだと思っていますが。私は2月半ばから珍しく熱を出し、すぐに病院へ行ったのですが、抗生物質のお薬がきかないで、ぐずぐずと長引いてしまいました。何かの細菌が入って体内に炎症が起こったという先生のご説明でしたが、熱はすぐにおさまったもののすっきりしないで、病院通いだけで2月は過ぎてしまいました。でも、もうすっかりよくなりました。そうこうしている間にアトランタは、美しい春になりました。まずは毎朝ガレージを出ると目に入るところに、赤、紫、白の大輪(11センチ)のアネモネが咲きだし、50センチ四方のところに今朝は30個(つぼみも16個)の花をつけています。考えてみますと、私、昨年は2月から日本でしたし、このアトランタでも「田舎」と言われるアクウォースでの春は、初めてです。どこへ行くにもドライブは、真っ白な「なしの花」ピンクの寒緋桜?「すおう」のような「レッドバッズ」、黄色のれんぎょう、紫のもくれんと、本当に楽しいものです。
自然の美しい動きに感動を覚える毎日ですが、同時に、毎日のように流れてくる災害のニュースに心が痛みます。今朝も地震があって津波警報が出た、とニュースで見ています。大きな事にならないように祈りました。
東日本大震災からも一年が経ちましたね。こちらのテレビジャパンの局でも、「3、11」に向けて一週間は、特別番組が組まれていて、私も時間のゆるすかぎり、見せてもらいました。復興に向かってがんばりながら行き詰まっている方のお話、お姿を見て「自殺したい」と言う気持ちがよく分かる気がしたり、ご両親と兄弟を無くして、おばあちゃんと残された幼い子が無邪気に笑っている映像を見て涙を流したりしていました。昨晩は長野の震災のあとの様子、また今も続いていると言う地すべりのニュースもみました。神様が勇気と元気を与えてくださるように願っています。
きのうは「4ヶ月に一度」の歯医者さんに行きました。私の歯をきれいにしてくださる係りの方は横須賀の方ですが、厚木の写真大学に通ったという方でいろいろ話が弾みます。法事のため、帰国してきたばかりでしたので、寒い日本に震え上がったと伺いました。治療をおわってから、近くの日本食品のお店「トマト」に寄りました。狙いは「さば」を買うことでした。青い魚が体に良いことは知っていますが、どういうわけかこのごろ、自分でおろす事がとてもおっくうなのです。その上、先日魚コーナーで買った魚は「新鮮さに疑問あり」と言うようなものでした。武田の恒義さんに話しましたら「冷凍のばりばり」を買うと良いといわれました。でも、そうすると自分でおろさなければなりません。トマトには3枚におろしてから冷凍にしたものがあります。きのうはそれで味噌煮を作りましたが、やはりこれは「骨がある」と言うことで不好評でした。これは実験なのです。何をどの様に料理したら食べてもらえるか?です。日本人には好評の「味噌煮」ですが、そこは我が家のアメリカ人?。ちょっと違うので、さまざまに実験が必要なわけです。結論は、さばの場合、完全に骨をとったものにして、塩をしてから20分お酢につけ、それから小麦粉をつけてソテーにすれば、レモンとソースで食べてくれるということです。まあ徐々に、献立をたてる時のレパートリーが増えつつあります。考え方によっては面白いです。先日のかぜの時には、恒義さんが作った自信作?の「かす汁」を届けてもらいました。我が家では絶対に食卓に上ることのない「日本食」で、おいしく味わわせてもらいました。
武田家の引退後の住まいも決まり、いよいよ四月には引越しをします。アメリカ人の長老さんが持っているお家で短期間、教会関係の方々に安く使ってもらっているというところです。二人とも大変すばらしい家だと喜んでいますが、私には「一年」と言う事の方が気になります。一年の早いこと、すぐに「その日」が来るような気分です。でも、この十年以上の毎日、近くにいられた事を感謝し、先のことは「最善」をしてくださる神様を信じてお任せし、せいぜい楽しく過ごしたいと思います。30日には武田夫妻に感謝、と言うことで長年続けてきた「ナルド会」でお食事会があります。私はたまに顔を出す程度ですが、最後ですし、誘われたので出席するつもりでおります。ここに来て私の勉強会のメンバーの方も加わる事があったりして、顔つなぎにもなっています。私の勉強会の中には、わずか十人ちょっとなのですが、面白い事に、「智子」と書いて「さとこ」と読む方、「ともちゃん」と呼ぶともみさん、そして「玲子」さんがいるのです。ちょっと説明させていただくと、厚木には主人の妹、里子さんがおり、その娘の「ともちゃん」(智子)は藤沢に住んでいます。そして私の一番下の妹、玲子は八王子に住んでいるのです。小さいけれど、とても仲の良い楽しいグループが出来ています。さとこさんのご主人はアトランタ一番のケーキやさん、ジョリ神戸でケーキを焼いていた時に、助手をしていたさとこさんと知り合って結婚したと言う方です。今はダウンタウンのホテルのケーキを作っていますが、その高級な腕をふるって、いろいろ差し入れをしてくださいます。日本で修行したというので伺ってみると、東京のサンジェルマンとのこと。あそこでは私の「おじいちゃんのヨーグルト」(丹那牛乳のこと)が買えるのよ、と言うことで、懐かしい祖母の実家、丹那の話、戦後の丹那乳業組合作りの話がでたり、初期のホルスタインの輸入や買い付けに行った祖父の話がでたり、皆さんに昔話をお聞かせする事になりました。本当に、いつの間にか、私が話す様なことは「昔話」の部類に入る事になってしまったのですね。
大分県の久住に住んでおられる友達と、手紙のやり取りをしていますが、初めてあったのは18歳の時でした。それから来年で60年が経ちます。「80歳に近づいた」事を驚きあっています。このごろは「天国に行ったら」と言う会話がよく出てきます。イエス様の約束の国です。先に行って待っていてくれるあの方、この方、数えると飽きる事がありません。残りの日が少なくても
「自分の宝は、天にたくわえなさい」(マタイの音書6:20)の言葉を大切に毎日を過ごしたいと思っています。この勉強会のグループには洗礼を受けただけで、その後、教会に行っていない方もあります。まだ信仰をもっていないけど、と言う方もおられます。無理にではなく、ゆっくりペースで神様について考えていただき、聖書に約束されている祝福を受けていただけたら、と願っています。コンピュータを与えられていますので、やさしく、分かりやすいプリントを用意して、その場にいない方々(ケーキ職人のモトさんなど)にも良いニュース、福音が届けられるように祈りつつ時間をすごしています。
すっかり春らしくなって、鳥たちの食欲も旺盛の様で、えさ箱もすぐに空っぽになります。ハミングバード(はちどり)が
南から戻ってくるのも間もなくでしょう。えさの蜜を出してやりました。
今日は畑に肥料をいれ、石灰をまき、春の植え付けの準備をします。日本から送ってもらった種「フルーツトマト」「京水菜」にも苗床を作ってやりたいです。
近日中に、日米協会の和美さんからご自宅前のサクラ開花の知らせが入る事でしょう。そうしたら、おにぎりを持ってお花見に行く事になっています。
結構忙しい毎日ですが、こうして楽しく動けることを感謝しています。今度何時日本に行けるか、と考えることもありますが、皆様のお幸せを祈りつつ、今日を精一杯前向きに歩くことにしましょう。お元気で。
郁子