一麦:渡辺家のHP

アトランタ発第119便

201633

 

 桜も満開となり楽しく美しい季節になりました。ご無沙汰いたしました。前便は12月1日でした。足の具合が悪く、少々情けない気分で書いたお手紙でしたが、その後、ちょっと耳にした「せんねん灸」というお灸を試してみましたら、驚くような効果が見られて、足の悩みから解放されました。勿論百パーセントの回復というわけには行きませんが、日常生活の中で、「忘れている事が出来る」ということです。そして、時々、違和感がある時には、せんねん灸を張ることで、乗り越える事が出来る様になりました。私の回復を見て、やり始めてみた牧実は、皮膚が弱くてだめでしたし、頼子は時間が短く出来るからと、ちょっと火をつけるのをはじめて喜んでいたのですが、お線香のにおいにアレルギーの反応が出てダメでした。私が、そのどちらでもなく、よい効果を喜んでいられる事も、ありがたいことだと感謝しています。

 半分あきらめていた庭仕事も、ずっとペースダウンさせてですが、出来る様になりました。秋には、球根の植え込みも出来なくて、手近なプランターにチューリップなど放り込むように植えるだけをしたのですが、それが見事に咲いて、ガレージの入り口を飾り、ヒヤシンス、アネモネ、ボケや水仙の香りが漂い、出入りするたびに楽しませてくれるという思いがけない恵みにあずかっています。過日はリンが「ねずみのにおいがする」と信じられないようなこと事を言い、専門家に調べてもらう事にしたのですが、その結果、びっくりするような事がありました。こうもりは冬はいないで四月ころかえってくるものだけど、一羽か一匹か分かりませんが早く帰って来て、林に面しているこの家の裏側の戸袋みたいなところにいたというのです。こうもりがいただけでもびっくり、こうもりが渡りをすると聞いたのもびっくり。とにかく、それから3日おき位にその会社の人がチェックに来ていました。渡り鳥が帰る頃と聞いて、冬のあいだ放っておいた鳥のえさ、ハチドリの蜜なども、入れなければと思っています。昨年は3月にひどい寒波が来て、花も野菜も、果物も随分痛めつけられてしまいましたが、今年は穏やかな春だったと思います。これから何もなければ、と願うばかりです。

 

 今年のイースターは初めて、アメリカ人の教会で迎えることになりました。前の週がテイラー大学の春休みで、デービッドも帰ってきていましたし、バイブル・キャンプ場で働いているマイケルも、お休みで帰宅しており、久しぶりに賑やかでした。マイケルは地域のブラスバンドのメンバーに入っていますので、

毎週木曜日の夜は近くの教会での練習に参加するために、帰ってきます。受難週の木曜日には、卒業した高校でイースターのコンサートがあって聴きに行きました。50人ほどのバンドでしたが、200人ほどの会衆、家族友人が一杯いるような和やかな雰囲気に包まれたコンサートでした。年に4〜5回のコンサートをみんなで楽しんでいるようです。教会では、リンがクワイヤーのメンバーとして毎週水曜日の夜、練習に励んでいますが、当日は、ハンドベルのグループも合流、マイケルも4本の管楽器の一つとして一緒に壇場で奉仕をしました。このヒルサイドの教会では、日曜日の朝、8時25分、9時半、11時と3回の礼拝が持たれていますが、イースターの日は、6時半(サンライズ)8時、9時半、11時にありました。この中の9時半、と11時には、二つのチャペルで若者向きのコンテンポラリーの礼拝とオーソドックなスタイルの礼拝が同時にあり、つまり、合計6回の礼拝が開かれていました。コンテンポラリーの礼拝ではバンドがついていますので、リンたちの奉仕するのは、9時半と11時の2回でした。前にお部屋を借りて使わせていただいていた、ウッドストックのバプテスト教会は、3000人は入るメインのチャペルがありますが、イースターとクリスマスの時には、普段礼拝に来ている方々は、土曜日に礼拝を済ませてしまって、日曜日には、特別な日にだけ来られる方々にお席を譲る様にお勧めがあるそうです。

 

今日、331日で、アメリカに移住してきて満15年になります。今では後から来られた方も多くなり、結構「長いですね」といわれる様になりました。

忠雄が召されて、9月になると7年、早いものです。この忠信の家に移ってきて6年、日本人教会から離れて(月に一度だけ行きますが)1年。年齢も忠雄が召された81歳に追いつきました。先月で定期の集会は終わりにして、体調に合わせてボツボツとブログの「日々の糧(hibinokate189)」だけ続けています。

 2月、3月と一回は、若いお母さん達のグループに招かれてお話に行きましたが、久しぶりに、赤ちゃんの声、子育ての悩みなど「若い方々の会話」を聞いて、あらためて普段のお付き合いで、「病気とかお灸とか」年寄りの会話の中にいることを思わされました。昔はよくしゃべっていましたが、今は殆どひとりで一日を過ごしますので、急に声が出ない時があります。頭の中では、結構忙しくあれこれ考えて暇ではないのですが、声を出す必要がありません。面白いことに、日本語のテレビを流していますので、同じニュースを何回もきくことになり、ニュースや世界の情報については、子育てに忙しい若いお母さん達よりも詳しい事にも気がつきました。

 

 「夕食作り」を私の仕事にさせてもらっていますので、これが、私の健康のもとになっているのかもしれません。「日本人と、アメリカ人の口」両方をいつも考えて献立を作る事は、なかなか普通以上に、頭を使います。簡単でいいよ、と言ってくれますが、もともと料理をする事は大好きな私ですので、この献立つくりがたいへんでもあり、楽しみでもあります。時には失敗もするのですが、みんながきれいに食べてくれるときはうれしいものです。

 その献立にしたがって食材を揃えるわけですが、これがまた大変です。いつでしたか、どうしても大根おろしをつけたいと思って、1時間で行って帰れるところにあるスーパー四つを回ったのですが、見つけられなかった事があります。

 ちょっとしたものでも、アメリカの食材でなければ、往復3時間かかるアジア系のスーパーまで行かなければなりません。こちらに長いお友達などは、月に一度位だと言われますが、私は数日の献立を考え、週に1度は買出しに行っています。時には、買い忘れて、二日続けてなんて言う事もあります。でも、その辺りには、ランチを楽しめるお店も幾つかありますので、時間があるがぎり、そこで一休みです。買い物だけでとんぼ返りの時や、ちょっと疲れがたまっている時など、帰りに眠くなる事がありますので、途中には2,3箇所、車を止めてお昼ねするところが決めてあります。広い駐車場の片隅で、車にロックをして、椅子を倒して寝てしまいます。十分から三十分、熟睡して目が覚めます。こんなお昼寝が出来るのは、私の特技だといわれることもありますが。

 

 朝は6時前に起きますが、毎朝の、健康チェックをしるしをつけながらしなければなりません。1月からインシュリンの注射の量を減ら事が出来る新薬、インボカーナを使い始めましたが、これが一日1回の空腹時服用になっています。起き抜けに飲むことにしているのですが、情けない事に、きちんとしるしをつけないで無意識に飲んだりすると、後で飲んだか飲まないかがわからなくなったりするのです。吸入をする事、血圧を測ること、絶対に何も口にしていないうちに血糖値を測ること、食後に飲まなければならない常用薬(7種類、これは一週間分のセットを作っておきますが)を決めてある小さいカップに出しておきます。これも、あとで、飲むときに、などと考えていると、忘れたりするからです。中に利尿作用の強い薬もありますので、その日の計画に従ってそれを、朝飲まないで、帰宅後、早く飲まなければならない事もあります。こんな事をしていると、聖書を読み、朝ごはんをすませると8時半にはなってしまいます。のんびりしていると9時です。遠くに買い物に出る日はできるだけ早く出かけますが、帰りは3時半から4時、帰るとすぐ夕食つくりです。

 

 遠くの買い物に行かない日は、お天気によって、畑仕事をしたり、本を読んだり、コンピュータの前に座ったりする事が出来ます。体調が優れないと、横になってテレビを見ることになります。でも、こうやって「自分の事が出来る」「忙しい、なんて思える」と言うのは本当に幸せなことと感謝しています。

 

 今度の日曜日には、日本から久しぶりのお客様と夕食をご一緒する事になっています。いろいろ新しい日本のお話も聞けるのではないかと楽しみにしています。私は健康が守られていたら10月から12月に帰国する予定でいます。

 もうあまり、広く動く事はできないと思うのですが、ゆっくり日本を味わうのを楽しみにしています。皆様の上に神様のご祝福をお祈りいたします。

郁子

 

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