アトランタ発第22便

2002・10・14

 一気に秋が深まったような今日このごろです。ニュースによれば、日本も同じようですね。

お変わりなくお過ごしでしょうか。昨年、‘最初の秋’ということで強烈に目に焼きついた「秋らしい飾りつけ」をまた目にして、あらためて一年が経った事を実感させられています。私達も、守られて元気に過ごしております。8日の火曜日は、ダディの半年目の診察日でしたが、何も問題なく、次回は一年後と言われました。私の方も、安定していて、薬も少し減りました。

 チョットあわてた事件と言えば、4月から国民年金が払い込まれていないのに気づいたことです。3月に日本へ行った時、銀行の合併通知が来ていたので通帳を新しくしました。もしかしたらその関係かとも思ったのですが、妹が調べてくれたところによると、年間届が出されていないので、支払停止になっていたのでした。幸い、すぐ妹が仕事を休んで動いてくれましたおかげで、無事今月末にはまとめて振り込まれるという通知を受け取ることができました。

 6日の日曜日に、ペルーから、同窓生の田口宣教師夫妻がアトランタに立ち寄られ、礼拝後の短い時間でしたが、楽しいお交わりのときを持つことができました。夫人の悦子さんとは少々所帯じみた会話も交わしましたが、その中で、やはり、年金がちゃんと入っているかどうかを確かめられない不安を語っておられました。そして、ペルーから発送した200通の手紙が、 ひとつも日本に届かなかったということを聞いて、信じられないような社会情勢を垣間見た思いがしたことでした。「送っても届かないところ」にお住まいだからということで、こちらの教会員たちはそれぞれ、手元にある日本的な食品を持ち寄ってお土産にしました。リュックで背負って帰っていただこう、ということです。2004年の春には宣教師生活から引退して帰国されることが決まったそうですが、今後の道を祈っておられるということでした。

 今年は日本も台風の当たり年のようでしたが、こちらも、ハリケーンや洪水などの災害が報道されています。(私達のところは何も影響ありません)先々週、水曜日から圭三さんは、会社のチェンソー(自動鋸)を持って、ハリケーンでたくさんの木が倒れ、道路が壊滅状態になっているという被害地のルイジアナ州へ出張でした。昨年も同じようなことで行き、完売して来ましたが、現地の営業マンの働きも影響したと思いますが、今年は全く売れなかったとか。やはり、景気の影響もあるようです。行きは二人、帰りは三人で運転して、土曜日の朝4時ころ帰ってきて来ましたが、7時半には日本語学校へ出かけなければならず、大変な事でした。

 9月は21便を書いたあと、牧実の幼友達として親しくさせていただいている生野多恵子さんとご主人の生野牧師、一日ずれて札幌の貫道牧師、こちらは、頼子と同じ年の若い方がおいでになっていました。同労の高橋和子さんも入っていただき、武田家で夕食会。道具を持参して、久しぶりにたくさんの餃子を作りました。生野先生ご夫妻の日程のため、恒義さんたちのコロンビア、チャールストン方面の伝道旅行がキャンセルになったのですが、その中のチャールストン(サウスカロライナ州)から、私達の方に依頼のお声をかけて頂きましたので、二度目のチャールストン行きとなりました。良子エリスさんご夫妻をはじめ、顔見知りになった方々とまたお目にかかることができ嬉しかったです。6時間の道も慣れたせいか、近く感じました。

行きにも帰りにも、大きな事故を目撃しました。真っ直ぐな良い道路が続いているところですが、居眠り運転だったのかもしれません。道端の林の中に突っ込んだ車の周りには、7,8台のパトカーと2,3台の消防車が止まっていて、救急車も私達の横を通り過ぎていきました。

ところで、私は消防車と救急車の見分けがつかないで戸惑っています。両方とも、日本の現金輸送車を大きくしたような四角い車なのですが、消防車は赤くなく、救急車は白くないのです。色も決まっていません、一色でもありません。ただ、交差点などに入ってくるときは、「バフバフバフ」と物凄い迫力のある恐ろしい音をさせて通ります。「ピーポーピーポー」が懐かしいです。すっかり慣れてしまっていて、つい‘パトカー’と言いますが、こちらでは‘ポリスカー’と言います。そして、お巡りさんが皆ポリスかと思うと、シェリフと言うのもあって、どこが違うのかと考えてしまいます。どうやら、いろいろ尋ねた結果、シェリフと言うのは、選挙によってなるものらしいです。また、アメリカでは警察とは別に、州ごとに、国の軍隊とは別の自衛隊(州兵)を持っていて、自分の州内の飛行場とか、公共施設の警備に当たっているということも知りました。また、郵便の宛名、つまり、住所としては全く出てこないけれども、生活の中には頻繁に出てくる郡名があることも分かってきました。私達のところは、ジョージア州ローレンスビル市なのですが、「グイネット」という大きな郡(カウンティー)の中にあるようです。武田家のあたりは、ロズウェル市ですが、「フルトン」という郡に入っています。アトランタ市と名が付いているのは中心の一部ですが、たくさんの郡を含めて首都圏と言うように、グレートアトランタと呼ばれています。そして、その郡境では、道路を挟んだスーパーで消費税率が違ったりしているのです。まだまだ、分からない事だらけです。

ダディは、すっかりこちらの運転にも慣れたようです。田舎へ行く道は単調で、本当に楽なのですが、都市部のハイウェイはとても大変で、私はとても好きになれないのですが、ダディは苦にする様子も無く、よく使っています。州の境目からのマイル数で出入り口の番号がつけられていて(つまり出口5の次が出口7だったりするわけです)私達のところは、「出口104」で降りるのですが、この辺は7車線になっています。外側の2車線は進入路や、出口のために増えたり減ったりしますから、できるだけ早く3番目の車線まで入らなければなりません。更に良いのは5車線目まで入る事です。なぜなら、トラックなどの大型車は4車線目までしか入れないからです。そして、二人以上乗っていれば、7車線目を走る権利があります。渋滞の時などにはここを走る特権はありがたいです。まあ、私も、やっと前方、後方とも視野を広く全車線を見る事に慣れてきて、脂汗をかくことが少なくなってきました。

道路の話では、少し前になりますが、ある高校の下校時間に前を通りかかってしまい、私達の数台前の車からとめられてしまったことがありました。黄色いスクールバスが出てきますので、反対側の車も全部とめられています。両側にポリスカーが来ていて警官が立っています。こうなったらじっくりあきらめて待つより仕方が無いのでサイドブレーキもかけて見ていましたら、次から次にと黄色いバスが門から流れるように出てきて右に左に分かれていきますが、何と30台あまり、あたりはマッ黄色になった感じがしました。これが毎日の事で、今まで出会わなかっただけの事だったのです。日本の登下校の風景とは全く違う事を見せられました。

小中学校も同じ訳ですが、私達の知っている方の中にはいわゆる私立の学校に子供を入れておられる方もあります。その場合は、親が送り迎えをしなければならず、この「送迎」がお母さんたちの大きな仕事になっています。最も、子供が免許を取って車を持ってしまうと、その行動が全くわからなくなってしまうので、それもまた不安だとおっしゃる方もあります。

そんなわけで、木曜日の昼間、若い方々と「聖書とお料理の勉強会」を持っていますが、子供のお迎え時間をいつも頭においてクラスを持っています。今週は、太巻きずしの講習をやりました。「具が真ん中にきれいに巻けない」と言う悩みがあるという方が多かったからです。

合わせてこちらの素材を使っての「美味しいものづくり」もしています。タピオカミルクをベースに小倉餡やサツマイモ、オレンジを加えたら結構美味しくなりました。また、チャイナタウンで、「八宝粥」という缶詰を見つけてためしてみましたら、これがなかなか美味しく中国の健康食であり、中国のお汁粉?と思える味がしました。日本でも買えるかもしれませんね。

今、我が家の目印になっているのは、入り口に(1メートル四方くらい)盛り上がって咲いているピンクのベゴニアと窓の下に縁取りのように咲いている赤いサルビアです。同じような景色の中でこれがおいでになる方の目印になっているのだそうです。最近分かってきたことは、「花」に対する考え方が、日本のように一つ一つをじっくり楽しむのでなく、車で走りながら楽しめる「色」中心の楽しみ方なのではないかということです。ベゴニアは霜が降りるまでなので、来年用に32本のさし芽をしました。忠信の新しい家の庭から新しい花の根を数種類持って来ましたので来年が楽しみです。最近になって、「保水用の土」があることも知りました。

この間の土曜日には、聖学院(本体は、東京にあります)の運動会に行ってきました。54名の幼稚園児と小学生に20名あまりの職員で、すべてが英語と日本語で進められていました。日本特有の運動会を見ながら、この中にお遊戯や体操など、日本人として「協調性」を育てるものがあるように思いました。次の2回の日曜日は、バプテスト教会のボートライト先生が休暇で、ご家族揃ってフランスへ行かれ、お留守になるのでダディは説教を頼まれています。 

 来週末の土曜日には、忠信の学会がジョージア大学であるので、チョット立ち寄ってくれるそうで楽しみにしています。その夜は、青年たちの集まりです。夏時間最後の日です。27日の日曜日から日本との時差が14時間になります。

皆さまお風邪を召されませんように。御祝福を祈ります。

郁子

 

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