アトランタ発第43便
2005・2・10
冬知らずのようなアトランタですが、1月下旬、首をすくめるような寒さを味わいました。
数日寒い日が続いた後、話には聞いていました‘ウィンター・ストーム’と言う天気が来ました。小さい雪ならぬ氷の粒が降ってきました。土曜日には公の建物はみな閉鎖され、使用できないことになり、すべての行事はキャンセル、道路は最高に危険だと言うので外出は控えるようにテレビも注意し続けていました。人通り無く(車の姿も無く)みんな家にじっとしているような日でした。次の日も気温が上がらないため、状況が変わらず、アメリカの教会は礼拝も出来ませんでした。(ノークロス日本語教会もアメリカの教会を使っていますので休みでした)と言っても、車窓から見る冬枯れの木々にほんのりと、緑っぽい色、ピンクっぽい色がかかってきたようで、春の足音が聞こえるようです。
今年の日本はいかがでしょうか。暖かいのかと思っていましたが「大雪警報」などというニュースも見て、首を傾げています。早いものでもう2005年のひと月が過ぎてしまいました。今年は日本への一時帰国を考えているので余計月日の流れが速いのかもしれません。3月9日にこちらを出発して、6月1日に帰ってきます。次号は帰国後になると思います。
84日間、レンタカーとレールパス(JR乗り放題)の併用で巡回することを考えていましたが、以前の教会員であった高野翠子さん(ダディーの小学校の同級生)が、交通の便利なところに引っ越すことになり、車を処分することにしたので滞在中使いませんかとおっしゃってくださり、まさに神様のご手配くださったことと感謝してお借りすることにしました。スケジュールを見直して広く回れるように計画しました。大好きな道東に行かれないのは残念ですが、青森から北海道(札幌)まで足を延ばし、九州は鹿児島(指宿)まで、裏日本は島根、鳥取、石川、新潟と北上します。名古屋では母教会の聖会に出てから、神戸の愛原和子さんに誘われて有馬温泉に初めて行くことが出来ることになりました。珍しい景色、すばらしいお料理も大いに楽しみなことですが、なんと言っても、いろんな方の笑顔に接することが最高にうれしいことです。積もる話に時を忘れ、きっと声がかれるまでおしゃべりをすることでしょう。
米国滞在中の医療費を国民健康保険に療養費払いの申請をするのも目的のひとつです。今回はダディーの補聴器(900ドル)や、私の2000ドルを越すと思われる差し歯(前歯)などが、健康保険の給付対象になるのか、今までに無かった問題を勉強しなければなりません。こちらの先生方も日本の保険が何をどの程度支払ってくれるのか関心を持って知りたがっています。今までは纏めて請求したのに対して、支払い決定通知というもので全体の金額を教えてもらうだけでしたので、給付の明細は分からないままでした。でも、今回はそれを知らせていただけるように請求をして見ようと思っています。今までやったことが無いのでスムースにできるかどうかいささか心配しています。私の歯科の先生は、圭三さん、頼子の友達で、クリスマスには一緒にコンサートに行ったり、我が家の新年パーティーでオセチを楽しんだりしている日系二世の先生です。それで、とにかく規定どおりを書類に書くけれど、保険がいくらカバーするかによって、値引きを考えると言っています。私としてはまだ問題がないし(虫歯にはなっていた)差し歯の取替えなどあまりに高価なので、死ぬまでこのままで良いと言ったのですが、先生の方が大丈夫、払えるようにしてあげるから、と言って強引に?予約に入れて治療に取り掛かってしまいました。日本に行く前にきれいにしてあげるのだ、と看護婦さんたちにも言っています。頼子にも「ここまで言われたらやるっきゃないでしょ。お礼は何か考えるからやってもらいなさい。」と勧められ、昨日は3時間かけて、古い歯をはずして仮歯を入れてもらいました。30年前に町田の歯科で入れてもらった(当時で一本7万円)もの二本ですが、差し歯の柱?はしっかりしていてそのまま使えるのだそうです。あの時の先生は、ご自分で東京には二人しかこの技術が出来る人間はいない、30年は大丈夫と言っておられましたが、改めてよいお仕事をしていただいたものだと感心しています。クラウンが3週間で出来上がるのですが、休診日があったり、こちらの予定があったりでぎりぎりの2日に予約を入れました。9日に出発するのに、2日が歯医者、4日が新しく始まったサウスキャロライナ州グリーンビルの集会(片道2時間半)5,6日がアラバマ州バーミンガムの教会(こちらも片道2時間半)と予定が入っています。
この一ヶ月は日本との連絡が大きな仕事でしたが、これからは留守中の通信講座のことと、持って行くべき書類(医療費の分は税金申告のために全部コピーを残さなければなりません)のチェック、そして、身の回りの荷物つくりです。でも何といっても日本に帰るのは旅行とは言っても「帰る」気分が大きく、身の回りのものについては、着の身着のままでスッと出かけられるような安心感があります。近いうちに国際免許はもらいに行こうと思っています。
今日はダディーの心臓検診(チェン先生)の日でした。特に問題は無く、次は8ヵ月後に診察に来るように言われました。診察代が85ドル、心電図が87ドルでした。日本円にするとそれぞれ9000円前後です。日本だと心電図は2000円しないと思うのですが、やはりかなり高いですね。心エコーは日本で撮ってくることで了承してもらいました。私の方は、日本クリニックにやっと日本人の先生が来て下さりほっとしています。7月になると女の先生が来られるそうですが、それまでのつなぎとして本部から来られたのだそうです。去年の一月から臨時のアメリカ人の先生が何人も代わって来ていましたが、あまり長くなったので本部でも考えたのでしょう。8月から11月にかけての咳(一時は声が出なくなるほどで、夜も眠れないくらいでした)は、薬の副作用でしたが、いろいろあって病院を変えることも考えました。でも、日本人の看護婦さんたちや事務の人は親切だし、日本語で保険の書類を書いてもらえることを思うと、それも踏み切れませんでした。でも、これでやっと一件落着です。
今朝、圭三さんは山崎量君に誘われてパナマシティーへマグロを釣りに出かけました。勿論メキシコ湾に船で出るそうですが、船に弱い圭三さんは酔止めに期待しながらの釣りです。本当に釣れるのでしょうか?私には信じられません。思わず間違って「鯨釣りに行く」と言ってしまいましたが、私の中では同じくらいに思えるのです。40年も前でしたか、弟の久彦が漁船に乗っていた関係で大きな筒切りのマグロをもらったことを思い出しました。普通のアメリカ人はトロを食べません。赤身は大きな切り身で売っていますが、サクに作ってないとお刺身で食べる気になれないものです。ある人が親切にお店の人に「こう切れば高く売れる」と教えてあげたと言う話を聞きました。おすし屋さんに行っても、トロのある日はラッキーと言わなければなりません。魚だけでなくお肉に関しても脂部分は徹底的に嫌われています。霜降りのお肉が懐かしいです。豚カツを作るにしても、ロースでさえ周りの脂身はきれいにカットされています。ダイエット的にはありがたいのですが、味が悪いと言う方もあります。
面白いと言えば、食器棚の中の話ですが、日本人の家庭では洗った食器が伏せてあります。ところがこちらの人は全部上を向けて並べています。食器を伏せる・・と言う習慣はまったく無いようです。ウェストミンスターの教会では、コーヒーのコーナーのところに、コップが置いてありますが、ここもコップはお盆の上に上を向いたコップが並んでいるのです。洗ったあと、つい伏せてしまいそうになるのですがやっと慣れて来ました。つまり、ここ頼子の家では食器は伏せて片付け、忠信の家では上を向けて片付ける、と言う具合です。
今年になって頼子が忙しくなり、週に5日は夜も出かける状態になっています。月曜日と木曜日は大学院、火曜日と金曜日は税金の事務所で実習(今の勉強に関連する)、水曜日は教会で礼拝の音楽準備です。水曜日は食事をしてから出かけますが、他の日は職場からまっすぐ出かけるので夕食も外になります。今まで、毎週、木曜日に行っていた(友子さんの残されたご主人)クリフおじさんのお世話も月曜日は学校が早く終わるので、それから回ってくる様にしていました。ところが、クリフおじさんが、一番下の弟さんの家に引っ越すことを決心しました。11月に目の手術をしたものの、経過がはかばかしくなく、自信がなくなったのかもしれません。お別れが近いと言うので、圭三さんも1月中はほとんど週末ごとに(3回は私たちも)一緒に食事をし、頼子は都合のつく限り行くようにしていました。29日には弟さんが迎えに来られ、それまで頼子と同じように世話をしてくれていた大竹桂子さんも含めてお別れ会をしました。本当に身の回りのものだけを車に積んで、残りの物はこの家を買い取った隣の方が始末をしてくれると言うことです。昨日弟さんに連れられてアトランタを去っていかれました。これからテキサスでの残りのご生涯が幸せである様に祈っています。何となく寂しい思いに包まれますが、聖書の約束を思う時、「永遠の国」へ近づいている希望の光を感じることが出来て感謝しています。
寒さもあとわずかでしょう。皆様、お体を大切にすばらしい春を待ちましょう。
神様のご祝福を祈ります。
郁子