アトランタ発第47便
2005・8・3
「東京で震度5!」のニュースにはびっくりしました。 幸いあまり大きな被害がなかったようでほっとしています。イギリスでのテロ、エジプトでも爆発と本当に心の痛むニュースが続きますね。そんな最中の22日早朝、日本へ帰るちやさんを空港まで送って行きました。警備が厳しくなり、大変な混雑でした。でも、私たちの日常生活は至って静かです。二十日ほど前まではあまり暑い日もなく、夏の実感もわかないくらいでしたが、その後何日かは「さすがアトランタ」と言いたくなるような暑い日が続きました。でも、昨日はススキが穂を出しているのを見て、一足飛びに秋ではないかと驚いています。
6月には44〜46便を日本への旅行記としてまとめましたが、もう8月になり、こちらの公立学校では早くも新学期が始まりました。皆様、お変わりなくお元気でいらっしゃいますか?この夏もたくさんの方がお里帰りで日本に帰られ、こちらの日本人の集まりは櫛の歯が欠けたような日が続いていました。日本から帰って来た方々が一様に暑かった!と言っておられます。体調を崩しておられる方々のため、特にお祈りしています。先便でちょっと触れた武田恒義さんのお兄様、実さんが天国に帰られました。5月の緊急入院から二ヶ月の間にどんどん病状が進んで、恒義さんも3回日本へ行かれました。でも「すべての罪はイエス様によって解決された」という信仰をはっきり表明され、神様の前に立つ準備もできたと静かな心で過ごしておられました。最期はホスピスで家族のみんなに十分話すことを話し、見送られて旅立ったということでした。身近な方が去ったことであらためて聖書の中にある「先祖たちが行った道を行く」と言う言葉を思わされました。人間として誰でもが行く道として死を意識し、意義のある毎日を過ごしたいと思っています。
日本から帰ったのは6月1日でしたが、10日には集会でグリーンビル(ノースカロライナ)へ行き、三ヶ月ぶりでメンバーの方々と楽しい時を持ちました。学校がお休みですから子どもたちも多く賑やかでした。お家を開放してくださっているグライナー寿美代さんには三人のお子さんがおりますが、みんなとてもよい子です。一番下の5歳になるイザヤくんは大変ひどいアレルギーで食べられるものが極端に限られています、うっかりするとすぐ救急車で入院する騒ぎになるので、厳しくチェックしなければなりません。ご飯と納豆だけは確実に大丈夫なのでいつも冷蔵庫に入れてありますし、自分で出して食べていますが、他はすべてママが材料を確認してから・・・ということになっています。もうすぐ学校に行く年齢ですが、多分ホームスクールで勉強をさせなければならないでしょう、とママは覚悟しておられるようです。そればかりか、最近近くに、やはり5歳の長男カイくんが「骨がすぐに折れる難病」と宣告されショックを受けている加藤さんという方が越してこられたそうで、寿美代さんはわがことのように心配してお世話しておられます。ウエストミンスター教会の人気者愛ちゃんもみんなにかわいがられていますが、発育に異常があり、機能訓練など大変です。本当に「病気の子を持つ親」の心を思うと胸が痛みます。
翌11日、土曜日は私たちの帰国を待って行われたガレージセールでした。二台の車はしばらく前から、庫外に置かれて、ガレージの中には様々なものが値段をつけて並べられています。頼子の会社のボス(女の方)も応援するということで品物を運び込んでいましたが、当日は娘さんやその子どもまで参加して店開きをしました。3台もあった芝刈り機の1台が早々と売れました。子どもは自分の要らなくなったおもちゃを売りに出していましたが、いくらか売れたようでした。近くのちやさんも手伝うつもりで来てくれましたが、お客さんはぼちぼちですし、かえって人手が多いというので私たちは何もすることがありませんでした。せっかく準備したのだからというので、そのまま、次の週の土曜日にもやることになり、3時頃には片付けにはいりました。ずいぶん早い店じまいだと思ったのですが、訳がありました。13日はダディの77歳の誕生日なのですが、前日にはペンシルベニアへ出かけることになっていました。そこで、この夜に、頼子たちが「サプライズ(びっくり)パーティー」を計画していたのです。私たちはまったく知らされず、「手伝ってくださったちやさんも一緒に中華料理店で食事をしましょう。」と出かけたのですが、着いてみると武田の二人はもちろん、ノークロス教会のボートライト先生、AJCFの理事仲間マイクさん、他にも、私たちがアトランタに来てから親しくしている方々が(大人十六人、子ども四人)広い範囲から駆けつけて下さっていました。思いがけず多くの方からお祝いを受けてダディは十分にびっくりさせられていました。さて、翌12日は早朝の礼拝を終えて北へ出発、いつものように途中で一泊、夕食前に着いてと言われていたので13日3時頃ステート・カレッジに到着。その晩は忠信一家とお祝いの会食になりました。翌日は学年末、日本なら終業式がある日なのですが、その夜、マイケルとリンは何やら忙しそうにしているので聞いてみると、マイケルの3冊目の創作が完成したので、パソコンからプリントして本に仕上げ、学校に持って行って売るということでした。内容は、時代を超えて活躍する少年ルカのお話しで、その他の登場人物の名前も聖書から取られており、挿絵も自分で描いたかなりの大作です。がんばって9冊を仕上げて持って行きました。1冊1ドルで完売、「先生は5ドルくれたよ」と帰って来ました。足りなくて予約注文を受けてきたそうです。ちょっと日本では考えられないことですね。
19日からはマイケルのキャンプでした。礼拝の後、昼食を済ませてキャンプ場まで送って行きました。小児糖尿病の子どものためのキャンプで、マイケルは二回目の参加ですが、小学校高学年くらいからの子どもたち200人ほどが、広い地区から集まっていました。家に帰って見ると、車の中にいつも持ち歩いている血糖の検査器具や注射器のバッグが残っていたので、驚いて忠信に知らせると、専門医たちが主催するもので、すべてが準備されているので、自分の物は持って行かなくてもいいのだということでした。その週は一人残ったデービッドを連れて遊園地に行きました。園内は車椅子を借り、いくつかの乗り物に乗ったり、ミニ・ゴルフをやったり楽しませてもらいました。デービッドはボールの的あてゲームで大きな三日月クッション(お人形が座っている)を獲得して、お土産にくれました。それを持ってアトランタに帰り、一日休んで26日は、バーミンガム(アラバマ)の礼拝の奉仕でした。やはり旅行中の方が多く、ちょっとさびしい感じでした。
この週はやっと時間ができたので日本クリニックの歯科へ「日本の保険請求の結果」を報告に行きました。頼子たちの友達であるケビン先生は、手間をかけて請求に必要な書類を作ってくださり、支払いが決定してからいくら払ってもらうかを決めるから――と言って下さいました。しかし、保険からは請求額の10分の1程度しか出なかったので、全額お払いしますと申し上げましたが、びっくりするくらいの割引をして下さって恐縮しています。アメリカでも高いと恐れられている歯科の治療費に、こんな助けが得られたことは神様の大きなお恵みだと思っています。ところで、日本から帰って以来、ゆっくり話す暇がなかった牧実の所へ行こうと思って数回電話をしましたが留守です。伝道旅行中かもしれないので週末まで待つことにしたのですが、30日に電話をもらい、実さんが亡くなったことを知らされました。相談もあるというので、翌日訪ね、詳しい様子を聞きました。授洗してくださった子母口教会の先生がアメリカへ短期留学中であり、奥様も近日渡米の予定と聞いて心配していたのですが、実さんの最期の日には奥様がおいでになり、連絡を受けて先生もすでに飛行機に乗られたとのこと、恒義さんも土曜日の朝の便が取れたというので一安心。次の礼拝のご用はダディが引き受けることで相談を終わり、後は、お昼をご馳走になりながら、写真を見たり、日本でお会いした懐かしい方々の話しをしたり、と時の経つのを忘れて過ごしました。この週末は例年の楽しみ、フロリダの「釣りキャンプ」に翌朝出発する準備をしていましたが、私たちはキャンプでの礼拝を夜に変更して、アトランタでの礼拝の後出かけることにしました。昼食後すぐに出発、約6時間のドライブで無事到着しました。夕食後、9時頃から礼拝を守りました。今年のメンバーは山崎家の五人と我が家の四人だけで、のんびり過ごすことができました。釣りの方は大物は獲れませんでしたが、アジが80尾くらいあがり満足でした。今年のハイライトは独立記念日の花火でした。花火会場からは少し離れた宿(コンドミニアム)でしたが、何と数キロくらいの砂浜全体が私設花火会場と化して、本物に比べれば、ミニサイズですが、家庭用の玩具花火をはるかに超えた見事な花火が上がりました。大金がかかると思えるのに、2時間余も続きました。十数階もあるコンドが浜に沿って幾棟も並んでいる(我が家は9階)そのテラスや砂浜で見物している観客が見事な花火を見て拍手をしたり、口笛を吹いたりして反応します。遠くに小さく見える本会場で上がっているのは、さすがに真ん丸くきれいでした。最後の日はハリケーンが近づいて波が高くなっていましたが、私たちは穏やかなうちに帰り着くことができました。でも、このハリケーンがグリーンビルを襲い、寿美代さんの家が水害にあい、今月の集会ができなくなりました。我が家の近辺は無事でした。
今週末はウエストミンスターのファミリーキャンプです。100人を大きく超えるようです。旅行から帰ってくる方も増えてきました。日本人学校も夏休みは終わりです。日本はまだこれからですね。楽しい夏をお過ごしください。
郁 子