一麦:渡辺家のHP

 

アトランタ発第50便

2005・11・21

 紅葉の便りとともに、かなり寒い日があるとニュースで聞いております。季節の変わり目、皆様にはお変わりございませんでしょうか。こちらでも今年の紅葉はきれいでしたが、ゆっくり楽しむ間もなくどんどん散り始めています。面白いのは、家のご近所など古くからの住宅地は、松・樫・槲などが多くてあまり紅葉の美しさは期待できないのですが、新しく開発された住宅地に植えられた木はきれいに紅葉しているのです。開発をする時に、ある程度の植樹が義務付けられるのだそうですが、「秋の色」を考慮に入れて種類が選ばれているようです。ということは、古くからの自然を残す町並みより、開発された市街地の方が鮮やかな秋を演出することになりますね。特に著しい発展を遂げているこの地域は、もっと秋が美しい町になっていくことでしょう。

さて、十月最後の日曜日の午前2時に夏時間が終わりました。日本との時差が1時間広がり、14時間あとから皆様の時間を追いかけることになります。その最後の週末は、少し立て込んだスケジュールになりました。28日()は、1年前に始まったグリーンビル(サウスカロライナ州)の集会に行きました。北へ130マイル(2時間余)のドライブです。29日()の午後は、ノークロス・バプテスト教会が、ハロウィンの時期に伝道の一環にしようと、裏の広いグランドに、遊具をおいたり、ステージで歌ったり遊戯をしたりする例年の行事がありました。日本語教会でもその一角に、ちょうちん等日本的な飾り付けをしたコーナーを作りました。常々、教会でハロウィンをやるのはおかしなことだと異義を唱えていたのですが、子どもたちの楽しみにもなっていて、大勢の家族が集まると言うので、今回は頼まれるままにダディがアコーディオンを持って参加し、日本の童謡や、よく知られている讃美歌などを弾いて、教会員と一緒に歌い、1時間ほどお手伝いさせていただきました。足をとめ、懐かしそうに歌い、教会員に話しかける日本人もいました。そこから、三ヶ月ぶりになる川田家でのAJCF(青年の集まり)に駆けつけました。川田家では、一人息子の牧人君がこの秋からロスアンゼルスの大学院にはいり御両親だけになってしまいました。子どもの巣立って行くのは寂しいことで、きっとそんな思いを味わっていらっしゃると思うのですが、この集まりを本当に楽しみに待っていてくださいました。この集まりがお慰めになればいいが・・・と思っています。前月のアラバマでの合同集会に続いて、テネシーやアラバマからの参加も多く、60人近くが集まりました。集会には親しく話ができるようにスモール・グループの時間が設けられています。日本語が良くわからない参加者もあるので、一つは英語のグループですが、後はいろいろな分け方をしています。今回私は初めて参加した人たちのグループに入りました。自己紹介を聞いてびっくりしたのは、神奈川県座間市(息子忠信の母校・座間高校の近く)から来た方がいて、あの店、この店と懐かしい会話ができ、また、帰国中の5月に初めてお目にかかった那智勝浦(和歌山県)の吉川さんを知っている、という方がおられたことでした。話しの途中から、もしかしたら・・・と思いながら話しを進めていって、やっぱりそうだったという、その時の感動をご想像ください。本当に世界は狭いと実感しています。テネシー州にある明治学院の先生をしているのぞみさんは男子の高校生を3人連れて参加しました。明治学院では高校生に運転免許を取ることを禁じています(アメリカでは16歳から免許を取れる)ので、お休みでも自由に出かけられません。そこで、アトランタのクリスチャン家庭に泊めてもらう「ホームステイ・ツアー」を組んだのです。ほとんどが大学生以上の集まりの中では、高校生はかわいらしく見え、この年代の2,3歳違いの大きさを感じさせられました。そのグループは、翌日のノークロス教会の礼拝にも出席しましたので、お茶の時間にゆっくり若い人たちの夢を聞かせてもらい、私たちも楽しい思いをしました。午後からはAJCF仲間の協力でアトランタを楽しむ計画が立てられていました。その晩はハロウィン(本当は10月31日ですが、最近はその直前の土・日にする)で、夕方から仮装した子供たちが三々五々家々を訪ねて歩きます。その時にお互いに言う決まり文句があるのですが、私たちにはスムースに言えません。今回は頼子が在宅でしたので、お菓子を用意し、門灯もつけておきました(寄って欲しくない家は電気を消しておきます)。チョコレートなどを入れたかぼちゃの形をした容器から、一つづつ貰って行きます。小さな子が親と一緒に来たり、大きい子が友達と二人でチャイムを鳴らしたり、ひとしきり座る間もないほどの忙しさでした。

冬時間になった日が境のように日が短くなってきました。夏は薄暗くなるのが9時過ぎでしたが、今は夕方6時には電灯をつけたくなります。暖かいアトランタですが、時には朝方氷点下の日もあるようになりますので、注意していなければなりません。早くからたった一つのヘリオトロープの鉢にビニールをかけ、気をつけていたのですが、昨晩の冷え込みはひどく、霜枯れしてしまいました。男の方たちは、もう芝が伸びないのでほっとしています。先日知って驚いたことですが、芝にもいろいろあってミシガン州(北の方、カナダに隣接している)では横に伸びないで上だけに伸びる芝や、雪の下になっても青々としているものがよく植えられているそうです。とにかく芝刈り作業は大変な仕事です。

ところで、例年のことになっていますがノークロス教会のボートライト先生が2週間の休暇を取られるので、ダディが礼拝の説教を引き受けていました。でも、事情があって日程がずれ、10月最後と11月第1の日曜日になりました。10月30日は、予てから伝道委員会が計画していた、アトランタにある聖学院国際学校の密山(ささやま)先生による特別な讃美礼拝の日で、証し(信仰の体験)を交えながら、30分ほどギターとハーモニカ、そしてすばらしい歌声を聞かせてくださいました。クリスチャンになる前(独身時代)には、ライブハウスや喫茶店などで10年近く演奏していらしたそうです。

お留守番の一つで私も7日の家庭集会のお話しを頼まれ、引っ越したばかり(1ヶ月前)の安田家に伺いました。華子さんは、土曜日には圭三さんと同じ日本人学校(補習校)で教えていらっしゃいます。こちらに来た最初の頃、車に乗せてもらって以来、本当に久しぶりでした。お話の後、こちらに長い陽子さんの指導で手芸の時間もあり「かわいいメモ帳」作りを楽しみました。日本では何でもないことですが、なかなか手に入らないボール紙をどうしたらよいか、やまと糊の代わりに「スクール・グルー」が使えること、強力な糊は銀色のチューブに入った「スティッキー」が良いこと等など、役立つことをいろいろ教えてもらえました。ボール紙は、その時のお仲間、台湾人のスーさんが「額縁業者で廃業した方から回ってきているものがあります。良い機会だから遊びがてら取りに来て下さい」と言われ、日本クリニックの近くでしたので、診察の帰りにいただきに行きました。スーさんは中国人教会のメンバーで、良く奉仕をしておられますが、日本育ちですので日本語もぺらぺら。日本人の交わりにも入っています。以前に、中国の奥地で貴重かもしれないと思って買ってきた日本の古い本が読めないので、読んで欲しいと頼まれたことがありました。特に貴重なものではありませんでしたが面白いものを見せてもらいました。

11日には、久しぶりにグレース・ネットランドをさそっておすし屋さんに行きました。グレースは10月末から日本に行ってきて、青森土産をもってきてくれていました。青森の小湊で隣の家に住んで一緒に働いていたご両親は、もう天国に行ってしまいましたが、その頃、そこで生まれたのがグレースです。グレースは赤ちゃんでしたから何も覚えていないのですが、ご両親のこと、ジョイちゃん、ヘロちゃん、サラちゃん、ジミーちゃん、うちの子達と一緒になって「オカアチャマ」とついて歩いていた兄弟たちのこと、みんな元気でいる近況も聞くことができてとても嬉しく思いました。

次の日曜日はバーミングハム(アラバマ州)の日でしたが、今回から前日の夕方、聖書の勉強会も始めることになりましたので、土曜日に出発です。在日韓国人の栄子さんのお宅が開かれます。栄子さんのご主人は予備役で、召集を受けてイランに行くことになり、入隊しました。翌日にはアメリカを離れるそうですが、時間は秘密事項で分かりません。7ヶ月の任期ですが、無事に帰られるように祈っています。元気な女の子が二人います。勉強会には栄子さんのほかにアメリカ人の養子として育った韓国生まれのご主人を持つ秀子さんが「今日は一日、主人が子どもの世話をしてくれて自由なの」と嬉しそうに参加、後はもう一人の中心メンバーの千鶴さん、そして、物理学の博士課程の最終コースを勉強している松村君とちえみさんの6人でした。楽しく勉強した後、韓国風のナベを囲んで夕食をご馳走になりました。翌日の礼拝では、仕事のため2週間おきにミシガン州から来ているという曽根岡さんがまたおいでになりました。今回は奥様のフサ子さんがご一緒でしたが、お会いするなり、渡邉郁子先生ですね、と言われてびっくりしました。一昨年、まだお元気だったネットランド夫人がお膳立てをしてくださり、ミシガン州内を回ったとき、親しくお話しをした方だったのです。お夕食をご馳走になり再会を喜び合いました。来年は是非ミシガンへ・・・といっていただきました。実現するかどうか、できたらいいなと楽しい夢をもって帰って来ました。

いよいよ2005年もあとひと月、お風邪などお引きにならないよう、どうぞくれぐれもご用心の上お過ごしください。神様のご祝福を祈っています。    

郁 子

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