一麦:渡辺家のHP

 

アトランタ発第53便

2006・3・31

 日本もアトランタもサクラが満開で、こころ楽しい季節になりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。暗い・痛ましいことの多いニュースも、花便りが明るさを添えてくれるので、ほっとしています。今日は3月31日、2001年のこの日、アメリカの地に踏み出してから満5年の記念日です。皆様のご支援とお祈りによって、言葉の不自由なことでは、まだまだ多くの助けが必要ですが、幾つかの奉仕の場を与えられ、個人的にお手伝いできる機会もあります。私たちの身近には、生死の間をさまよっている赤ちゃん、痛みの伴う治療に涙を流すお嬢さん、人間関係で悩んでいる方など、心痛むお祈りの課題が寄せられる一方、人生の前進に伴う楽しい?お祈りの課題にも励んでおります。

忠信のペンシルベニアの家を売り出す手続きが終わりました。明後日の日曜日は「オープンハウス」で不動産屋さんがお客さんを案内してくるそうです。一日中家には居られないようです。前回のメリーランドでは、売り出した最初の日に申し分のない値で売れたのですが、今度も良い買い手が与えられるように願っています。16日のイースターが終わると、今度はこちら(ジョージア州ケネソー)の家を探しに来ます。先ずは良い家が与えられるように、そして、リンの新しい仕事のためにも祈っています。

引越しの話題が尽きないのは、日本人教会の宿命です。家族ぐるみで活躍してくださった石井さんご一家が、シンガポールにお引越しなのですが、高校生になる長女マリちゃんの学校が満席のため、決まらないで祈っています。家探しでも、学校問題にしろ、遠隔地へのお引越しは大変です。3月のはじめには、3年ほど教会のお交わりに溶け込んでおられた田村領事ご夫妻が、東チモールへの転勤でお別れしなければなりませんでした。独立して間もない小さな国ですが、日本人が101人いるということでした。政治状態、治安の問題など、不安材料もあるところですが、出発前にはご夫人悦子さんの洗礼式が行われ、さびしい中にも嬉しいお別れ会をしました。ご活躍を祈っています。圭三さんの仲良しで楽しいお仲間の山崎量さんが昨年末から失業状態でしたが、アトランタでは仕事がなく、シカゴの元の職場に復帰、引っ越すことになったのも寂しいことです。3人の子どもたちの成長は私たちにも大きな楽しみでした。また帰ってくるように願っています。

前便で触れたネットランド家のグレースは、ごく初期の乳がんだったそうで、数回外来で手術を受け、最後の手術は29日からちょっと入院して受けるということでした。でも、元気そうで安心しています。

前便は事故のニュースで皆様を驚かせてしまいましたが、その後のこともお知らせしましょう。全体的にびっくりしたのは、事故処理が簡単なことです。今回は全面的に相手方に原因があったことにもよるでしょうが、日本のように、番号札を立てて、現場写真を撮るでもなく、メジャーで測って図面を作るようなこともしません。現場に来た警察官の報告書に付けられた事件番号によって保険会社との間で処理が行われることでした。相手の運転者とも一度も言葉を交わす面がありませんでした。事故が木曜日だったため、すぐ週末にかかり、翌週の月曜日が祝日だったため、警察の事務部門も三連休になり、必要な書類が貰えなかったのは、ちょっとした驚きでした。圭三さんに面倒な処理をお任せしてしまいました。翌週の月曜日には相手の保険の負担で代車のレンタカーを借りました。当方の車の方は「全損」ということで、約13000ドルの補償金が払われることに決まりました。約5年で8万マイルも走っていても、新車の半値以上が出たのは、日本車だったからでした。ということは幾つかの車屋を調べてみて判りました。中古車でも日本車は高いのです。国産車(アメリカ車)なら安いものもありました。保険会社では、水曜日で代車の提供を打ち切ると言われましたが、金曜日にサウスキャロライナ、土・日曜にはアラバマへの奉仕があります。買ったばかりの車より、たとえ一週間でも慣れた車のほうが良いのではないかという忠信の助言で、代車のレンタカーを自腹で延長して借り、それで行きました。アラバマから帰る途中で、頼子から「車を買ったよ。間もなく圭三さんが乗って帰って来る」と連絡がありました。こちらでは、車の売買契約ができ、支払い(ローンの契約)が終わると、仮のプレートに一ヶ月先の日付をマジックインクで書き込み、そのまま乗って帰ることができるのです。我が家に帰り着くと、夜目にもくっきりと銀色の車が見えました。シルバーは、「事故に遭う率の低い色」という発表があって、最近増えている色です。2004年のマツダMPVで、2万数千マイルしか走っておらず、まだ新車の雰囲気です。4200ドルほどの追加でした。前より少し小ぶりな感じですが、荷物は前より積めますし、乗り心地もよく満足しています。月曜日に保険の手続きも終わりました。乗り始めに、日本からご子息を訪ねておいでになっていた方を訪問したのですが、初めてで土地勘がなく、近くまで行きながら迷い、おかげでお花見を楽しむことができました。 ダディの足は思ったよりひどく(治りが悪いのは年のせいもあるかもしれませんが)骨の専門医にまわされたと言っても、ただ固定され、痛みがひどければ痛み止めをのめというだけです。やっと全体の腫れも引き、あと一息というところです。日本で弟から貰って私が重宝していた杖は、今はダディの杖になっていますし、スーパーなどにある籠付きの電動車椅子にも時々乗ってみたりしています。私の方はここまでよくなるとは思っていなかったほど、すっかりよくなりました。去年ぜんぜん構えなかった庭仕事も、だんだんできるようになり、48個の大袋に二年分の落ち葉を詰めて清掃会社に出しました。

車椅子と言えば、先日忠信たちが来ている間に、最近アトランタにできた水族館に行きました。ダディのために車椅子を借り、終始マイケルが世話をしてくれて、ジージには嬉しい日でした。世界一と聞いて、私が思い描いていたほどではありませんでしたが、巨大な広くて、深い水槽が見事でした。後で知ったのですが、ここのガラスは日本で作ったのだそうです。現在ガラス業界では日本が一番なのだそうです。上から、横から、下からと海の中を体験できるところはさすがでした。そして、ガラスのトンネルの中に座ってたくさんの魚の動きを見るのは不思議な世界でした。また、人気を集めている「白い鯨の仲間(名前をはっきり覚えていません)」の水槽はとても楽しめました。三頭のイルカくらいの白い動物が広い水槽の中を自由に泳いでいましたが、1頭は人間になれているのかガラスのそばを離れないで愛嬌を振りまいていました。私は始めて鯨の仲間が人間のように首を前に曲げたりできるのを見ました。口も唇みたいに開いて笑うように見えて、あらためて哺乳類であることを認識しました。他にもきれいなクラゲや、木の枝のようなシードラゴン(タツノオトシゴの一種?)など、珍しい物がたくさん見られました。

実は、今年はミシガン・ウィスコンシン・ミネソタなど北の方に旅行する計画を立てようと思っていましたが、事故があり、ダディのけがなどでまだ決めかねています。車が前より新しくなったことなど、前向きな材料も有るので実現できるかなとも思っています。武田家が日本旅行(4月18日〜5月12日)から戻るころまでには結論が出るでしょう。

 その前には忠信の家も決まり、6月末には引っ越してくることになっていますが、庭の畑にはすぐに夏の野菜の植え付けしなければならず、手伝ってやるつもりです。7月に入ると、夏の恒例行事が「釣りキャンプ(1日〜5日)」を皮切りに始まります。

 今晩はウェストミンスター教会でコンサートがあります。昨日の夕方、ご一行がお着きになるのに、牧実が伝道旅行の週で忙しそうでしたので、久しぶりに海苔巻きなどを作って差し入れてきました。このごろ、海苔巻きが食べにくい気がして、これも歯が悪くなったのか、あるいはこちらの海苔が悪いのかと思っていましたが、ふと昔を思い出して「焼き海苔」と書いてあってもあぶって見ましたら、気のせいかいくらか違うようです。皆様そんなことお感じになったことはありませんか。海苔も昔と違ったと思いませんか?一部「花寿司」にして「バラの花」を作り、別に「春」と言う文字を書こうとしたのですが失敗しました。でも、ちょっとみたら「主」の様にできましたので、次にはやってみようと思っています。こちらに来てから、「スパイシーツナ」と言うおすしを知り、一部にマヨネーズに豆板醤を混ぜた辛い「かにかま」なども巻く様になりました。アメリカはさまざまな面でゴチャマゼ社会ですが、その中での楽しみも見つけたいと思っています。 

寂しいことですが、昨夜、岐阜の川村牧師夫人のさちさんが召されたお知らせがありました。2001年12月に、難病で3ヶ月から半年の余命というお知らせを受けました。日本へ帰るたびに真っ先にお見舞いに駆けつけ、十分にこの日の覚悟は語り合っておりましたが、残された先生を思うと胸が痛みます。お二人のご結婚にいろいろな面で関わらせていただきましたが、なぜか新婚旅行から帰って、小湊の家に訪ねて来てくださった時のことが懐かしく思い出されています。五人のお子様を立派に育て、先生と共に良いご奉仕をなさいました。先生がご病気だったとき、また、ご自身がご病気と戦われることになった時、しっかりと信仰に立ち、明るい笑顔を絶やされることがありませんでした。天国でお目にかかれる日が楽しみです。ご家族の上に神様からのお慰めを祈ります。

どうぞ、皆様、「春を造られた神様を」ご一緒に讃美いたしましょう。お元気で。

郁 子

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