一麦:渡辺家のHP
アトランタ発第62便
2007・2・18
皆様、こんにちは!いかがお過ごしでしょうか。
木の芽もふくらんで来たようだし、冬知らずのアトランタだとのんびり構えていましたら、1月末に寒波がやってきました。忠信の家に泊まっていたのですが、明日はアイス(雪ではなく、雨粒が凍って降る感じ)のため学校は休みだとテレビで知らされました。朝起きてみると芝生の上に「霜」の様に見える氷の粒粒が白く光っていました。屋根にも白いものが見えましたが、大したこともなく夕方には溶けてしまいました。親たちは休みでないので、子どもだけを置いてはおけず、夕食までいて帰りました。それ以後三寒四温という状況で、春に向かっています。日本でも「春一番」が吹いたとか、梅のお花見に行ったとかと聞いて、春ももうそこまで・・・の感を強くしています。災害に会った方々のことを思うと厳しい寒さが心配になりますけど、あまりの暖冬には何か一抹の不安も感じます。テレビでは、魚が例年より北の方で取れるようになっていると話していました。地球温暖化の問題は、多少の努力では止められない様ですね。フェーデル宣教師と、「この50年の科学の進歩」を数え上げて驚いた20歳頃のことを思い出しました。広島の原爆の何倍もの威力を持つ水素爆弾がすでにできていて、聖書の預言「地球の終わり」も、考えられない様な事ではなくなってきていると学びました。でも、その後の50年、更に更に大きな変化が目の前で見られました。テレビも、コンピューターも、その頃はありませんでした。聖書には「イエス様の十字架による赦し」の福音が全世界に伝えられた時に「終わり」が来る(マタイ28章)と書いてあり、伝道の成果が大きな目安として見られていますが、最近、その数字を見る機会がありました。20世紀の100年間にクリスチャンになった人の数は、その前の1900年間の合計よりも多く、アジアでは1千万人だったクリスチャンが3億人になり、アフリカでは8百万人弱が3億人に、ラテンアメリカでは6千万人が4億4千5百万人に増え、世界のクリスチャン人口は4億5千5百万人から20億人になっていると報告されていました。まだ「伝えられていない所」はあとわずかだそうです。日本に住んでいると、教会は少ないし、クリスチャンも少ないので、考えられない数字ですが、やはり、多くの方に聖書を読んでいただきたいなあ、と思っています。
私たちの自宅(松井家)とケネソー(実際は大学の所在地で、家は北隣のアクォースですが、この方が通りがいいので・・・)の忠信の家を行ったり来たりという生活ですが、だいぶ慣れて来ました。つまり、それぞれの時間の使い方が上手になってきたと言えるかもしれません。自宅でなければできないことも、例えば、通信講座の受講生とのやり取りや、近頃書き始めている我が家のルーツを、資料を調べながら進めたり、本の整理をしたり、日本から持って来た布を広げて洋裁を楽しむ事などなど、いろいろあるのですが、一方、忠信の家では、編み物をしたり、最近はまっているパズル「すうどく」で脳の老化防止を図ったり、本を読んだりできます。先日、何気なく持っていった本を読んでいましたら、丹那トンネルを掘った時のお話(吉村昭著 闇を裂く道)でした。3ページ目には、丹那盆地にある私の祖母の実家や、大叔父さんや親戚の名前が出てきてびっくりしました。でも、読み進むにつれて、それ以上に、あのトンネル工事の大変だったこと、鉄道関係者の熱心さ、勇敢さに心うたれるものがありました。腰まで水につかって作業が続けられたこと、崩壊の危険につきまとわれていたこと、多くの犠牲者のこと、それによって豊かな水を失った丹那の人の暮らしが全く変わった事、争いを避けるために努力した人たちの事など、忘れられない本になりました。来週からは、南北朝時代の唯一の小説、と言われる「武王の門」(北方謙三著)を読むつもりです。ダディーの母のルーツである菊池一族が一番活躍した時代について少しでも分かればと思って、妹維子に送ってもらったものです。それから、一部完成した花壇には花も植えましたが、春になったら庭仕事も本格的に始まります。今年の春は、「どんな花が咲くか」という大きな楽しみがあります。つまり、花の時期を過ぎてから買った家なので、何の木があるのか分からないのです。多分2本はドッグウッド(ハナミズキ)だろうと思うのですが、後は見当もつきません。アジサイも、つつじも植えたいのですが、全体が分かってからの方が良さそうです。野菜については、水耕栽培の本も読んでみていますが、ボチボチ考えることにします。最近は子犬たちの訓練もやり始めました。2頭の子犬は10ヶ月になりますが(シェパードの雑種)ジャンプ力がすごく、喜んで飛びついてくると、倒されてしまいます。まずは「飛びつかない」訓練ですが、デービッドたちは英語で、私は日本語で教えますから、犬もバイリンガルで大変なことです。なかなか賢くかわいいです。
教会関係では、相変わらず、礼拝はノークロス日本語バプテスト教会とウエストミンスター日本人教会に出させていただいていますが、州外での集会は、今のところ月に一度、サウスキャロライナ州のグリーンビルだけにしています。昨年末に、少し考えさせられることがあって、今年の方針は「依頼があれば出る」にしました。積極的に出かけていたことを考えると、少しペースダウンしたとも言えます。でも、そう決めたばかりの時に、「金曜日、空いていますか?来ていただきたいのですが・・・」と声をかけられ、今は月に2回、金曜日に小さいグループの中に入れていただいて楽しく聖書の学びをしています。私たちの体力を考えても、それは良いことだったと感謝しています。
今年は、頼子たちは5月に、忠信は6〜7月にかけて日本へ行くことにしており、私たちは何時行くのが良いのかと祈っていましたが、忠信がマイレージで切符を買ってくれることになり、先日二人分のビジネスクラスの切符が買えるまで貯まったので、早速飛行機会社に連絡をしました。マイレージで切符を取るのには、早く予約する必要があるとは聞いていましたが、(空きのあるところしか買えないので)取れたのは行きが10月25日、帰りは12月10日になりました。ずいぶん先の話ですが、私はビジネスクラスに乗るのは初めてですし、想像を楽しむ時間が長いのも良いかもしれません。今回はあまり広く動く計画は立てないで、妹たちのところでのんびりさせて貰いたいと考えています。日本の秋は久しぶりですから、いまからワクワクしています。でも、それを考えると、もう今年も年末のような気分になってしまうので、しっかり間の中身の毎日も充実したものになるように心がけたいと思い直しています。
先週、ダディーは心臓専門医の定期検診を受けました。手術後6年近くなりますが何も問題なく、次回は1年後と言われました。又、日本へ行った時には心エコーの検査を受けてくるように、とのことでした。それは私の方も同じです。何しろ、検査料が高額なので、こちらでは受けないことにしています。
秋には予防注射も年寄りは絶対に受けなければいけないと言われて、受けるようになりましたが、おかげで、最近、周りで風邪が大流行ですが、どうやら無事に過ごせそうです。頼子も、税金申告で仕事の忙しい時なのですが、3日ほど寝込んでいました。日本クリニックは満員で予約が思うように取れず、半年くらい前にできた、アメリカ人の先生なのに日本語で診察を受けられる所で診ていただきました。もう大体良くなって仕事に出ています。同じ頃、リンも風邪で休みを取っていました。でも、忠信の出張中だった上、マイケルのコンサート前の練習とかで、夕方から夜まで1時間もかかるアートセンターへ連れて行ったり、翌朝も7時に送り届け、更に夕方からはコンサート本番でデービッドも連れて行ったりと、大変なことでした。2月は忠信の出張が多く、私たちも月、水だけでなく、金曜日まで続けてとどまることも多く、木曜日には二人を音楽教室のレッスンに連れて行く事もしています。マイケルはトランペット、デービッドはベースギターです。月曜日と水曜日はマイケルの教会行きがありますが、この方は食事をすませておくのが私の仕事で、忠信かリンの早く帰れる方が連れて行くことになっています。9時頃まで、待っている場合もありますが、役割交代をしていることもあります。この「送り迎え」が、こちらで育児をしている方々にとっては大きな仕事です。夫人たちの集まりも、お迎えの時間に縛られることがしばしばです。何しろ、公共バスや電車に乗って自分で通うことは一切できないのですから、運転ができない子どもは送ってやらなければ、何処にもいけないというわけです。電車も走ってはいますが一部分だけです。バスも同様で、路線のあるところは限られています。学校はスクールバスで送迎しますが、部活をする子は迎えに行かなければなりません。アトランタは 車がなければ動けない所です。運転が億劫に感じられるようになった日本婦人が、日本の便利さを思って帰りたがったりするわけです。不便と言えば不便ですが、子どもに関して言えば、それだけ、親との繋がりがあるわけですから、子どもが免許を取ったときには別の不安に駆られるそうです。
今年は、ウエストミンスター日本人教会は30周年を迎えます。3月には武田家の二人は日本へ行き、支援してくださった方・帰国者の皆さんと感謝会を持つことになっています。4月15日はこちらで記念礼拝やコンサートの計画が控えています。メンバーの中にはその日が出産予定日と言う方もいて楽しい春が待たれます。
どうぞお元気で!郁 子