一麦:渡辺家のHP
アトランタ発第66便
2007・7・25
夏真っ盛りになりました。皆様にはお変わりなくお過しでしょうか。
新潟で忘れる間もなく大きな地震が起こって驚いています。毎日テレビのニュースで様子を見ていますが、被害の大きさがますますはっきり見えてくるようで、被災者の方々を思うと本当に心が痛みます。あの地域にお住まいの方で私たちの知っている方はすぐには思い当たらないのですが、きっとご不自由や、ご苦労をなさっている方もいらっしゃるのではないかと思っています。世界に目を向けると悲しいことがあちらこちらに起こっており、今、この時間にも悲しんでいる人、苦しんでいる人がいる・・・・・・と辛くなりますが、同時に、私たちが守られていること、うれしい、楽しい事の中に置かれていることを感謝しなければ申し訳ない様な思いに駆られます。こうして毎月、アトランタ発のお便りを書いている時、本当に多くの方々とのすばらしいお付き合い、お交わりを与えられていることを幸いに思って感謝しています。
一番新しいお交わりのグループは、先便に書きましたピーチツリーシティー日本語教会の方々です。アメリカにも多くの無牧の教会があり、牧師を求めることは難しいことです。特にアメリカで日本人牧師を求めることは至難なことと言われています。私たちが2年余りも月に一回アラバマ州の教会に通ったことはご存知の通りです。ところが、ピーチツリーシティーには8月から後任の牧師が来てくださることになりました。これは本当に「ラッキー」と言えるもので、どれほど感謝しても、しすぎる事がないほど恵まれたことです。私たちと前からお交わりがあった宮崎先生が、この時期にミシガン州からアトランタに移住して、新しく「カウンセリング・ミニストリー」を始められようとしておられたのです。ですから、当面牧会をするお考えはなかったのですが、母体であるアメリカ人教会のスタッフの働きかけを受け、神様のお導きと信じて受け入れてくださったのです。初めての無牧時代を経験したメンバーですが、何もかも牧師頼りであった時とは違って、自分たちが動かなければと、前向きで積極的になられ、かえって良い学びの時だったともいえるほどです。先週は、あと僅かになった私たちとの交わりを思って、メンバーの方々が特別なおもてなしをしてくださいました。それは、あの「ゴルフ・カート」を用意して、湖の周りを一周するという計画でした。「どうぞ運転してください」とキーを差し出され、運転したことがないから、と一瞬ためらったのですが、それでもまず、ダディーが運転しました。何と、この運転は遊園地のゴーカートと同じようなものでした。前便でご紹介したように、車道と平行したり、林の中を通り抜けたり「カート・パス」と言う専用の道が一メートル半くらいの幅で縦横に舗装されているのです。15歳以上なら誰でも運転(免許証はない)できるそうで、主婦たちがお買い物に、高校生は通学に利用するそうで、朝にはちょっとしたラッシュもあるとか。一時間ほどの湖畔巡りでしたが、帰りには私も運転を楽しませていただきました。途中にはサクラ並木があり、休憩所や釣り場がありましたが、林の間を縫ってのドライブは軽井沢のサイクリング気分でした。実は、独立記念日の休みを利用したフロリダ州パナマシティーの釣りキャンプ二日目に、私は初めて日射病にやられる苦い経験をしたので、真夏のピクニックはちょっと恐れる思いもあったのですが、そんなに暑くもなく、気持ちの良いお天気で、すばらしい経験をさせていただきました。
ところで、釣りの方ですが、ハリケーン・カテリーナで壊れたピア(桟橋)がまだ修理されておらず、長さがだいぶ短くなっていて、以前のような釣果は期待できないのですが、今回は圭三さんが大きな「サワラ」を釣ってくれました。後は、まるまる肥った「アジ」がボチボチ釣れました。マイケルとデービッドもよく釣りました。三日目には忠信・リンも駆けつけ、夕食には一家勢ぞろい。デービッドは料理が好きで、アジのフライをやってくれましたし、マイケルはアジの刺身を最後までテーブルに残って平らげ、みんなをびっくりさせてくれました。忠信の日本旅行の話も聞きましたが、日本の朝日新聞にも、アメリカの学校の先生が日本の授業参観に来たと紹介されたそうです。ツアーのメンバーの中に病人が出たり、日本の病院で出してもらった薬がわからないで苦労したり、飛行機に乗り遅れた人があったり、と大変なこともあったようですが無事に帰れて感謝でした。
ところでパナマシティーのピアは来年から三年くらいかけて修理をするそうで、私たちも11月の釣りのためには他の所を探さなければならないそうです。そのためではありませんが、最後の晩は「カニ食べ放題」のレストランで名残りを惜しんできました。
フロリダから帰って、一日休んでサウスキャロライナ州グリーンビルの集会でした。例のごとくサンマやサバその他日本の食材のお買い物を頼まれ、配達屋さんを兼ねての出張?です。メンバーの一人ひろみさんが体調をくずしておられ、しばらくお休みでしたが、今回は久しぶりにお顔を見せてくださったので喜びましたが、やはりダメということで、途中で帰られました。日本で飲んでいた薬と「薬が変わった」せいなのですが、なかなかうまくいかないようです。ボブ・ジョーンズ大学で勉強しておられるご主人は、この夏休みは帰国しないつもりだと言っておられましたが、この調子ではやはり日本の病院に行かなければならないかもしれないとおっしゃっています。でも、もう少し落ち着かないと飛行機にも乗れないのだそうで、早く状態がよくなられように祈っています。その日は、グリーンビルから自宅を通り越して、新しい住まいを探しにピーチツリーシティーに来られた宮崎先生にお会いするため、「ブックス・ジャパン(日本の本屋)」に向かいました。隣にある「梅園(日本食レストラン)」で食事をしながら、新しいアパートの事、これからのことなど伺いました。これからこの地域でご一緒に働けることを感謝しています。その週は忠信がワシントンDCへ行っていましたので、そのままアクォースに行きました。13日の金曜日はバイブルスタディーがありましたので、自宅近くの教室まで行き、クラスが終わってから、再びアクォースに戻って夕食をすませてから帰宅しました。
その日、寺内智子さんから思いがけないお電話をいただきました。次の日曜日に智子さんが最初の病院で指導に当たってくださった先生ご一家をウェストミンスターの教会にお連れになるのですが、その方が私や牧実と同じ上野高校の卒業生なので会ってもらえないか、という事でした。それでは・・・と言うわけで当日はピーチツリーシティーの礼拝後、すぐにウェストミンスター教会に向かいました。教会ではこの日、男子会、婦人会、青年会あげて協力し「夏のお楽しみ会」が開かれていました。着いた頃には、ほとんどの皆様は食事も終わって、子供たちは「スイカ割り」に大騒ぎをしていました。お会いしてみると私たちよりはるかに若いお方です。でも、新しくなった校舎でなく、古い学校を知っている方でした。それどころか、お父様も上野高校卒とおっしゃるのでお年を聞いてみましたら、2年くらいの先輩であることがわかりました。話に夢中になっていましたが、いろんな方が「オニギリ・たこ焼き・やきそば・カキ氷など」を持って来て目の前にならべてくださり、楽しいひとときでした。そのご一家がお帰りになってから、初めて来られた方に声をかけました。若いご夫婦で一真(かずま)君という11ヶ月の赤ちゃんを連れていらっしゃいました。奥様のあゆみさんは、次のバイブルスタディーから(次の金曜日にありました)いらっしゃる事になりました。後でわかったことですが、2年前にアトランタに来られ、日本に帰って出産され、こちらに帰って来てから子宮頸がんの手術を受けられたとか、大変な2年を過されたようです。会社の契約ではあと3年アトランタにいらっしゃるそうです。この日は手術を受けられてからまだ二週間ちょっとだったわけです。でもとても明るい方でこれからのお付き合いが楽しみです。あゆみさんもメンバーの中に婦人科のお医者さんがいることにびっくりして喜んでいました。この週にはもうひとつ特別行事がありました。教会のメンバーですが絵本作家の池田睦子(ペン・ネームわたり・むつこ)さんのお話会です。私も誘われて出かけましたが、大勢の親子で(ベビ―シッターつきでした)大変でした。その他にもお客様があり、私はそちらの食事のお手伝いにまわりました。アトランタのダウンタウンでギデオン協会(学校・病院・ホテルに聖書を贈るビジネスマンの団体)の世界大会が日本からも大勢が参加して開かれていました。その中から、この教会堂を購入する時、日本で「本田路津子さんのコンサート」などをしましたが、その頃大変お世話になった鈴木建設の社長、留蔵さん(97歳)と奥様他が訪ねてくださっていて、恒義さん、ダディーを含めて9名が「別室で昼食」となっていたのです。お客様といえば、土曜日にも、牧実から電話で、同じ大会に来ている青森と三島の方がこちらに向かっているから出てこない?とのこと。これまた、驚くようなご縁のあるお客様たちでした。青森の笹沼さんは何と私の55年前の青森生活とかかわりのある方でした。大勢の懐かしい方々のお名前が飛び出して(中にはもう天国へ行った方も)感無量でした。三島の湯山さんはもっと古い話で、日本の初期の宣教師ジェームス・バラ先生に導かれて信仰を持った先祖や親戚の話で「遠いけれども親戚?」と言う様な方でした。秋に日本へ行ったときには、またお会いしてもっとお話をしたいと思っています。こんなわけで、忙しいけれど、充実した毎日を過しています。日本行きについても少しずつ予定が入って来ていますので、神様のお導きを祈っています。 どうぞお元気で。
郁 子