一麦：渡辺家のHP
アトランタ発第７３便
２００８・６・１８
皆様、いかがお過ごしでしょうか？ 中国の大地震に心を痛めておりましたが、今度は岩手･宮城で大きな地震。登米市（宮城）に住んでいる弟からは、無事である知らせが入ってほっとしたところです。まだまだ多くの方々がつらい日々をお過ごしですね。教会などの情報もこれから入ってくるのかなと案じています。
アトランタはすっかり「夏」になりました。春には雨もよく降り、水不足の問題も深刻な状態は乗り越えたそうです。一番大きな水源地レイク・レニアはまだまだもとの状態には戻っていないそうですが･･･。一応家庭用プールの水使用も許されることになったそうです。ここのところ一･二日置きにものすごい雷を伴った夕立（午前や夜中もありますから、正確に言えば雷雨）があります。家の中に居ても思わず頭を抱えて座り込みたいような雷です。50年以上昔、軽井沢に引っ越したばかりの頃、山の盆地？だからでしょうか大きな雷に驚いたことを思い出します。でも、ここのはもっともっと凄いです。
５月１２日から武田恒義・牧実夫妻が日本と中国に出かけ、ウエストミンスター日本人教会が留守になりましたので、私たちが牧師館の留守番に入りました。実際は翌日がサウスカロライナ州グリーンビルの集会の日に当たっていましたので、それを済ませて１３日から泊まりました。その間チョコチョコ家に帰ったり、忠信家の野菜の様子を見に行ったり、出歩きましたが、「いつもと違う生活」も十分楽しく過ごすことができました。２０日忠信の家で夕食後、帰ろうとしている時に大きなサイレンが鳴り出しました。テレビでも「竜巻と大嵐の天候の警報」を出し、刻々と地図上に気象の情報を、時には３Dの画面も使って伝えています。東北に向かって移動しており、「ちょうど教会の辺りだから出かけるのを少し延ばす方が良い」と言うので様子を見ていましたが、サイレンも鳴り止み、静まってきましたので出かけました。忠信の家の近くから教会までは「ハイウェイ９２」の一本道です。途中断続的に前も見えない状態もありましたが無事に走り抜け、教会前の道路に入ろうとすると、消防車が道をふさいで通行止めになっています。消防士に聞いても「この道は入れない」と言われるだけ。隣のメソジスト教会との間に通り抜けできる所があるので、その傍まで車を入れて、雨にぬれながら建物に入りましたが停電しています。ダディーが傘をさして道路の方に様子を見に行きました。そこにはポリス･カーが横向きに停まっていました。どうやらお向かいの家の木が倒れて電線を切ったようです。道路に電線が垂れ下がっていました。教会の敷地にある大きな松の木も地面から５０ｃｍほどの所から折れて倒れていました。一応、教会の状態について役員の川田さんにお知らせし、自宅に帰ると言いましたら、嵐は今そちらの方角に進んでいると教えていただきました。結局その日は忠信の家の方に引き返し、翌朝早く教会に戻りました。すると、川田さんたちと工事の人が見えました。敷地の中で倒れた木が教会への引き込み線を切っていたのです。
教会と消防の間には「ホットライン」が在って、異常がありそうだとブザーがなり問い合わせがあります。教会で応答がないと、自動的に役員の川田さんへ、川田さんの応答がないと別の役員さんへと転送される仕組みになっています。この夜も深夜１時ころブザーが鳴ったそうです。でも、川田家でも状況が分かっていたので朝になってから来て、修理の手配などしてくださっていたのです。
牧師が留守でも、すべての集会は続けられました。礼拝の説教は三人の役員さんが受け持ち、ダディーは一回の説教と毎週の祝祷をさせていただきました。公立学校が夏休みに入りましたので、ママさんたちの集まりには連れて来られる子供の数が増えました。ベビーシッターがおおわらわです。私もちょっとだけお手伝い。婦人たちのナルド会も、私が２回、ダディーが１回お話をしました。１回は「いちご狩り」が予定されていました。ところが直前になって農園が閉まっていることが判り、いろいろと考えた挙句、「Hマート」でお買い物、「春一番」でランチを楽しんで帰る事に決定。新しくアトランタ生活を始められた方にとって、アジア食品のHマートは本当に大きな楽しみの場所と言えます。ゆっくりとおしゃべりをしながら買い物をし、食事をし、その後、急がないグループは、「モーツアルト」（ベーカリー）に場所を移して食後のコーヒーまで楽しんで帰途につきました。ところが、途中でハプニング。信号で止まっていたところに追突されました。私は前の右側、助手席です。しっかりシートベルトも締め、深く座っていたため何ともありませんでしたが、一瞬何が起こったのか分からないショックでした。後席のお一人だけシートベルトを締め忘れていたために、前に押されて胸を打ち、体をねじったらしく大変な様子でした。４人とも英語については十分ではないとあって、とにかく救急車や警察を呼ぼうと、９１１に通報するだけでも大変でした。でもお祈りしましょう、と一言祈って待ちました。やがて、近くに住んでいる益美さんが駆けつけてくださり、警察や救急隊の人たちとのやり取りを助けてくださいました。後席の二人、森さんと杉山さんを乗せた救急車が行ってしまってから、私と運転していた川田みよ子さんも首にコルセットをはめられて押さえられていたのですが、私たちは大丈夫だから、と言うことで解放してもらい、救急車は断って後を見届けることにしました。川田さんのご主人も来てくださいましたが、問題は完全に後ろの車にあることが明白であり、簡単に書類もできたようでお二人が収容された病院に向かいました。ところが病院についてみると、二人とも、別の部屋に入れられただけで、何の処置もなく、ただ寝かされています。それから１時間もたって、やっと森さんだけレントゲンを撮り、骨に異常はありません。良かったですね。帰っていいです、と言われました。３月に教会の車が追突された時もそんな調子だったと聞いていましたがびっくりしました。杉山さんの方も痛み止め？の処方箋が出ておしまいでした。その後、幸い森さんもだいぶ良くなってきていますが、２週間後に救急車の費用として６８０ドル(７万円余)の請求書がお二人に届いたそうです。勿論、先方の保険で払われるものですが高いですね。日本では無料のため、タクシー代わりに使用されたりして問題になっているのですよね。いろいろ、びっくりしましたが、まあこれくらいですんで感謝しています。
６月１３日の金曜日、ダディーは８０歳の誕生日を迎えました。ナルド会で「８０年の証」を頼まれていましたが、はじめにバースデーケーキを前にハッピーバースデーのお祝いを歌っていただきました。８０年の話は若い方々にとって、初めて聞くことも多かったわけで「映画を見た様だった」という感想も聞かれました。ちょうどその日に武田夫妻が帰って来ました。空港に迎えに行って下さった川田さんたちも交えて、旅行の話を聞きながら一緒に夕食を済ませてから、１ヶ月ぶりに自分のベッドに帰りました。その夜は、圭三さんと頼子でケーキだけ、翌日は、一日遅れの家族勢ぞろいの誕生祝でした。
１５日の日曜日は久しぶりにノークロス日本語教会の礼拝に行きました。ノークロス教会では、９月から新しい牧師が日本から赴任されることになっています。私たちもお目にかかるのを楽しみにしています。礼拝後、私たちは頼子と一緒にグレースのお見舞いに行く予定がありましたので急いで帰りました。うれしいことにグレースはここしばらくとても具合が良いとの事。電話で聞いたところでは、先週は長兄のジョエルの奥さんとお母さんとが４歳の女の子を連れて来ており、無邪気な子供との触れ合いも良かったのか、食事も進み、力も出てきて、ストーン･マウンテンに行ったり、水族館に行ったりもしたというのですからびっくりしてしまいました。私たちはグレースの希望を聞いて海苔巻きとお好み焼きを作って持って行きました。実際に元気そうなグレースを見て本当に驚きました。今はジョエルが来ていますが、動きすぎるのを心配しています。ついこの間は立つことも大変でしたのに、お紅茶をサービスしてくれるので言葉も出ずに唖然としたくらいです。グレースの家は表の通りから入る大きな行き止まりのロータリーの様な形の所にありますが、その中に１０軒くらいの家があります。そのロータリーを回って出る角に大きな道路工事現場で見かける標識が立っていました。でも、それには「GＯ ＧＲＡＣＥ ＧＯ」と書いてありました。グレースへの応援の言葉なのです。教会の仲間か、ご近所の方々の気持ちなのか？いかにもアメリカらしいと胸が熱くなりました。私たちもやっとできあがった「千羽鶴」を持っていきましたが、家の中にもいろんな方からの励ましの「しるし」が見られます。先日テレビで見ましたが、がんとの闘いもずいぶん進んでいるようで、改めてキモセラピーの効果がこんなに早く見られたことを感謝しています。今週の木曜日から３クール目に入ります。グレースも副作用で髪の毛を失って、かわいいスカーフとピンクの帽子をかぶっていますが「ガンバル」と言っています。髪はまた生えて来るものだし、ある人の場合、まったく違った色の髪が生えてきたと笑っています。
忠信は今週の金曜日から一週間ほど仕事で日本行きですが、リンと子供たちはストーンマウンテンで開かれるアトランタ・フェスティバルというコンサートを楽しむようです。クリスチャンの音楽の集いだそうですが、朝１０時から夜中の１時までだそうで、夜は松井家に泊まって通うのだそうです。私たちは金曜日、土曜日と集会がありますが、しばらくのんびりする予定です。足の具合もだいぶ良くなりましたので、部屋の模様替えもしたいなどと考え始めています。夏は日本からのお客様も多く楽しみにしています。いろいろ出かけたい所もありますが、ガソリン代が高くなっているので、その方はしばらく控え目に･･･と考えています。
どうぞすばらしい夏をお元気にお過ごしくださいませ。郁 子