一麦:渡辺家のHP

アトランタ発第76便

2008・11・17

昨晩はピューピューという風の音で目が覚めました。冬がやって来たのですね。でも、朝になってみると、そんなにひどい木枯らしではなかったようで、美しい紅葉の景色はまだそのままでした。数年前に驚くほど美しい紅葉の時がありましたが、今年は平年並みだそうです。急に寒くなってから、陽が当たると、まぶしいほどの黄色に光る木や、炎が燃えるような赤い木、かと思うと、中は緑の葉が見えているのに、外側は赤に変わりつつあるカラフルな木などが目立つようになりました。そして全体はと言えば、赤も黄色も一色とはいえない豊かな濃淡に輝き、何十色にも見える景色に目を奪われます。思わず浮かんでくるのは懐かしい日本の秋の歌です。

秋の夕日に照る山紅葉  濃いも薄いも数ある中に 

松をいろどる楓や蔦は  山のふもとの裾模様

   谷の流れに散り浮く紅葉  波にゆられて離れて寄って

         赤や黄色の色さまざまに  水の上にも織る錦

やはり一年で一番美しいのは秋ではないかと思います。歌のなかで「錦」と表現されていますが、神様の色の豊かさにはただただ驚くばかりです。日本のニュースで、時々「雪」という言葉も聞かれるようです。寒くなっているのですね。風邪の心配もあるようですが、皆様どうぞ暖かくお気をつけて冬をお迎えください。

私たちは大旅行から帰って、のんびりと過ごしておりましたが、先日スーパーで初めてクリスマスの歌が流れているのを聞いて、おやおや、もう年末だとあわてている始末です。先日、ウェストミンスター日本人教会では、恒例の「さんまパーティー」もあって、秋の味覚を味わいました。旅行中に編み始めたセーターも完成し、そろそろ次のものに挑戦しようとしています。そんな中でTVジャパンを見ていて、急にその本が見たくなり、今まで近寄らなかった日本の書店に行って、NHKのテキスト・ブックを買ったのですが、その値段に驚きました。なんと日本で500円のものが、送料が加算されている上に円高とあって14ドル33セント、ほぼ3倍もするのです。やはり、こちらの本屋さんには近寄らないことにします。

大統領選挙が終わり、今はいよいよ来年からのオバマ政策に期待が寄せられています。景気の悪い中でのクリスマス突入で、心配もされていますが、ガソリン代はどんどん下がり、今は最高値の時の半分以下になりビックリしています。家族が集まったりで旅行する人が多い時期ですから、これは良い結果をもたらすかもしれません。旅行と言えば、クリスマスの前に、サンクスギビングの祝日です。私たちはまたフロリダ州のペンサコーラに出かけます。頼子たちとは一緒に住んでいても、仕事が忙しくなかなかゆっくり顔を合わせることもできませんが、この45日のフロリダ行きを毎年楽しみにしています。昨年秋から(私たちは日本旅行中でした)、それまでのパナマシティーが、ハリケーンで壊れた釣りのピアを作り変えるため閉鎖されたのでペンサコーラにしました。ここには古いお友達の柳子さんの家があります。今度は、お目にかかれるかと楽しみにしています。柳子さんから今年はユズをたくさん頂いて、楽しい思いをしました。はじめは伝道旅行に行った牧実にことづけて下さったのですが、お礼のお電話をしたところ、またまた送っていただきました。今度はもっとたくさんでしたので、教会のナルド会(婦人会)で「ユズ味噌作りの講習会」をすることにしました。せっかくだからと試食を兼ねたランチをしましょうと、大根・こんにゃくに豆ご飯まで用意されていましたので、できたてのユズ味噌を大根・こんにゃくにのせていただきました。おかげで「これぞ日本の味」と喜んでくださる皆さんの顔を見ることもできました。ユズは実がなるまでに長年かかることで有名ですが、このユズも柳子さんが18年前に日本から持ってきた種をまいたものであることをご紹介しました。若い方々(自分の年齢を考えて)は種をまこうと持ち帰られました。今回、無駄の無い方法として ユズはよく洗ってから四つに割って、中の身を取り出し、グレープフルーツ用のスプーンで内側の白いところをかきとることにしました。(外側の傷んだところは後から切り取る)皆さん貴重なものだからと丁寧に扱ってくださってたっぷりの刻みユズができました。中の身を絞る時にも、いろいろでしたが種を取り分けたものをお茶の袋に入れて絞ると面白いようによく汁が取れました。最後にはその絞りかすも今晩「ユズ湯」に入りたいと言い出した方があって、分けて持ち帰られました。思いがけない楽しい時を与えられて感謝しています。

その少し前、旅行から帰ってすぐにと思いながら、少し遅くなったのですが二人で定期の血液検査を受けました。私の方はあまり変わりありませんでしたが、ダディーの方は血小板の数が増えて61000との事。前回日本から戻って4月の検査では54000でしたからいくらかとはいえ増えたわけです。看護婦さんには「それでも半分以下ですよ」と言われましたが、特に変わりも無く感謝しています。そういえば、8月のはじめにこの日本クリニックの倉岡先生が読売テレビで取り上げられることになって取材班が来ました。患者の一人としてインタビューを受けるように頼まれ、チョコッとモデルになりましたが、それが10月5日の「グッと地球便!」という番組で放映されたそうです。CDをいただきましたが、アトランタ紹介も兼ねたものができ上がっていました。

旅行から帰ってすぐの土曜日に、前からのお約束でサウスキャロライナ州のビューフォートと言う所に行きました。8月のファミリーキャンプにそこから来られた龍子さんとお知り合いになり、秋から月に一回程度伺うことになったのです。数人のグループがバイブルスタディーを続けています。一回目の集まりには、以前、日本から帰る飛行機の中で隣合わせだったゆかさんがお友達を連れて来てくださいました。なんと春には二人目の子供さんが生まれるとの事。またまた楽しみが増えました。その晩は龍子さんのおうちに泊めていただきました。ご主人は海兵隊のパイロットです。お子さんは無いのですがとても仲良くお暮らしの様でした。龍子さんのお部屋は日本の手芸全般の材料がそろっている様な楽しいお部屋でした。かわいくきれいな作品が所狭しとばかり飾られています。書道も本格的に学ばれた様で立派な作品が掲げられていました。いろいろお話しているうちに、その立派な作品の数々を何かに役立てたいと思っていらっしゃることが判りました。そこで、帰ってからアトランタの婦人会で調べたり相談したりすることをお約束しました。現在教会でやっているのはバザーといっても不用品の交換会のようなもので、値段も極端に安くつけられていますが、手芸品などの作品を適当な値段で売る、というアメリカ人の組織があるのだそうです。そのメンバーになっている方がいらっしゃるので、この次には作品を写真にとって来て紹介しようと思います。とにかく年一回で、今年は終わったばかりということですから時間はあるのですが、かんじんの集まりの方がいろいろな事情で次回がまだ決まりません。年内は無理だということで、まあ、ゆっくりペースで行こうと思っています。ただビューフォートまでは5時間半から6時間はかかりますので、どう予定の時間をとればいいのかいろいろ考えています。集会は土曜日午後2時半からということなのです。一回目の時は、土曜日朝7時に出かけて2時半の集会の後、龍子さんのお宅に泊めていただき、翌日ベース(海兵隊の新兵訓練センター)の中の教会で礼拝を守ってから帰って来たのですが、次回からは集会が終わった後、途中まででも帰ってきてホテルに泊まることを考えています。そうすれば、ゆっくり休んでアトランタの教会の礼拝に出られます。やはりだんだん年を重ねていますので、「無理をしない」を大前提に考えています。元気でいるとは言うものの何でもゆっくりで時間がかかるようになりましたし、できる仕事の量が減ってきたと思うのですが、これは仕方が無いことと認めることにいたしました。                 

嬉しいこととしては、アトランタ近辺の教会、ノークロスバプテスト教会では酒巻先生が、ピーチツリーシティー教会では宮崎先生が着任後、順調に軌道に乗ってこられていることです。クリスマスの計画もそれぞれに決められましたが、きっと皆さん楽しく参加されることだと思います。ウェストミンスター教会の方でも、後任の長井先生を来年お迎えする方向でいよいよ祈りつつの準備態勢に入る、と発表がありました。今年は私が2月3月と日本へ行きましたが、頼子と圭三さんも10月に帰国しました。圭三さんはお母様の敏子さんと九州旅行を済ませて一週間で帰ってきましたが、頼子は更に一週間日本の秋を楽しんできました。30年前と比べると本当に日本が近くなったものだと感じています。ただ来年、忠信が計画している学生たちの日本行きツアーは、この不況がかなりの問題になることだろうと思います。それだけでなく、学生に対するローン貸し付けの門が狭くなったことで、公立の(学費の安い)大学は一時的に学生が増え、少し困難な状況が予想されているようです。不景気のせいかどうかわかりませんが10月半ば、我が家は始めてドロボーに狙われました。私たちは出かけていましたが、隣のご主人(中国人)が異常な犬のほえ方で、裏のドアーをこじ開けようとしている男性に気づき、警察を呼んでくれました。そのサイレンに驚いた犯人は、スクリュードライバーを置いたまま逃げたそうです。警備会社によってすぐに警報装置がつけられ、今はその装置の使い方に気を使っています。異常事態になればすぐに警察・消防・救急車に連絡が入るのだそうです。

今年も残り少なくなりました。どうぞ皆様お元気でお過ごしください。

神様のご祝福をお祈りいたします。                 

郁 子

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