一麦:渡辺家のHP

アトランタ発第89便

2010・3・10

2001年、こちらに来た年に美味しかった白桃の種を蒔きました。3年前にここの庭に植え替えましたが、3メートルほどの木になり、今年も沢山つぼみをつけています。百年ぶりの寒さとかで、まだ固いつぼみですが、一週間前に何本かの枝を切って家の中で暖かくしていましたら、素敵な花が咲き出しました。ひと枝は頼子に、ひと枝は牧実に届け、今日はここに来られたお客様たちとお花を楽しみました。今週は外もいくらか春らしくなり、ほっとしていますが、今年に限り、もしかしたらもう一度寒い日が来るかしら、とまだ安心できない不安な気持ちがあります。早いもので主人がいなくなって半年になりました。一番大変だった運転の方も、「必死の思い」で祈りながら自分と戦い、どうやら乗り越えることが出来ました。課題だった「病院までのドライブ」もクリアし、かなりあちらこちらに出かけられるようになりました。日本クリニックでお世話になっていた倉岡先生が、来週から新しいところで開業されることになり、そちらの方へも下見に行ってきました。今度のところは、家からは少し近くなり、日本食の店、「トマト」にも近いので、帰りにはお買い物も出来て助かります。

ところが、先日スピード違反で「警告」の切符をもらってしまいました。ハイウェイの120キロのスピードに恐れをなして避けている私なので、皆さんに「ぇ〜」っと驚かれています。でも、実際は、スクールゾーンでランプが回っていたら25マイル(40キロ)で走らなければいけないところ、50キロ出ていたと言うことなのです。以前日本で、後ろにパトカーがついているのに、気づかないでスピードを出してつかまったことがあったのですが、その時、主人に「スピードもだけど、後ろにパトカーがいるのに気づかない方が問題だ」といわれたことがありましたが、今回もまさにその通り、ランプの点滅に気づかなかったことが一番の原因でした。おかげで、それ以後、特にスピードに気をつけて走るようになりました。主人も一度、スピードゾーンでは切符を切られて大騒ぎをしたものでした。あの時はまだ来たばかりで、よく分らないことも多く、罰金の期限も忘れていたため、気づいた時には今にも、逮捕に来られるかもしれないと言う事で、圭三さんがお金を持って裁判所のようなところまで走ったことでした。とにかく、スクールゾーンに関してはとても厳しいそうで皆さんに注意されました。

2月は、私にとっては近くに誕生日が沢山ある月です。11日は妹維子の誕生日、14日は主人の妹里子さんの誕生日、16日は牧実の誕生日です。里子さんは今年は特別傘寿のお祝いで楽しい会食やディズニーシーでの様子、聞かせてくださいましたが、維子も下の妹玲子やまきえちゃんたちとお祝いの観劇や食事をしたそうです。私と牧実も「合同の誕生会」を11日にしてもらいました。中国の「ホットポット(寄せ鍋?)」の店に連れて行ってもらいました。一人一人の前にだしの入ったおなべが置かれ、好みの材料を注文します。私は「野菜」牧実は「海鮮」恒義さんは「3種類の肉」を注文しました。つけ汁は自分で作ります。脇にはずら〜っと30種くらい「材料の種」調味料の基になるようなものが並んでいます。沙茶醤(サーチャージャン)大匙1敗ほどをもとにして、後は恐る恐るいろんなものを入れてみました。最後に生卵を割り込んで、煮えた物をこれにつけて食べるのです。3人とも、美味しいつけ汁を作ることが出来て大満足でした。その晩は牧師館に泊まり、翌日の婦人会に出てから帰りました。午後2時頃から雪が降る、と天気予報が出ていたのであわただしいことでした。ちょうど、日本の軽井沢から、川村裕子さんが来ておられましたが、アトランタは暖かいと思ってお出でになったので雪にはびっくりなさったようです。私は、松原湖のキャンプで以前お目にかかったことがあり、その上、今は軽井沢のめぐみシャレーでキッチンの責任者として働いていらっしゃるので、共通の話題がぽんぽん飛び出して嬉しい一日でした。私のところは町から少し離れているのですが、一度来られた方はみなさん、この家が気に入って下さる様で、アトランタに住んでいる方々でも、ここに来ると「本当のいなか」を感じられるとか、川村さんも、その「いなか」を見たいと言われたそうで、川田みよ子さんがお帰りの前の日、時間を割いて連れてきてくださいました。本当に静かなところで、このところ三日ほど続けて鹿の大家族が現れています。最初の日は、夕方みんなで食事に出かける時でした。思わず10匹くらい!と思ったのですが、同時にリンが「1ダース!」と言ったので、「なるほど」と文化の違いを感じました。正確に数えたところ9匹でした。昨日は朝9時に私が出かけようとしたところ、隣の芝生でのんびり草を食べていました。数えたところ8匹でした。鹿は匹ではないかもしれませんね。今までは3匹とか5匹までは時々見ていたのですが、この調子だと今年は花壇も危ないかもしれません。でもとてもかわいいです。

忠信が板囲いの中に、芝生をはがして畑を新しく広げてくれましたので、暖かくなったら忙しくなります。今は「土つくり」だと思っていますが、このごろは教会からも野菜くずをお土産にもらって帰ってきます。お勉強に来る方も、ちゃんとした一品のお料理だけでなく、野菜くずのお土産も持参してくださって「豚のえさ」みたいとか言いながらせっせと土に埋めています。土をかけておくとリスたちがちゃんとほじくり出してかき混ぜてくれます。勿論、芝生をはがし、石ころを除いたところには新しい土を買ってきて入れなければなりません。トラックいっぱいの値段を聞きましたら120ドルと運賃30ドルとかでした。トラックいっぱいではやはり多いだろうと言う事で、25キロくらい入った袋を12袋くらいずつ(車が耐えられる程度)何回にも分けて運び込む事にしました。ちなみに、ここではがした芝生は、松井家で剥げてしまったところに使いたい、と言うので、2月最後の土曜日、あちらに行く時に積んでもらって持って行きました。月に一回ですがちやさんが楽しみに待っていてくださっていますので、土曜日は半日、レストランや買い物にご一緒して、翌朝はちやさんを乗せてノークロス教会の礼拝に出席します。今回は礼拝後、お茶の時間に静子さんと言う方に声をかけられました。「アトランタには郁子さんは一人ですよね」と言われてキョトン!です。全く教会とは縁の無い所で、和美さんと言う友だちと話をしていたら「郁子さん」と言う名前が出てきて、その二人が違う郁子さんなのかどうかが問題だった様です。ちやさんに聞いてみたら同じみたいだというので声をかけてくれたのでした。やはりアトランタは狭い社会です。

次の週は忠信がタイへ出かけ、私が献立を決める日が多く、迷いに迷ってしゃぶしゃぶを思いついたのですが、薄切りの肉は一時間かかる「トマト」まで行かなければなりません。せっかく来たのだからと、隣の「すし横」に顔を出しました。ここでは毎週金曜日、ご主人をなくされた方々や、一人住まいの方がお昼を一緒に食べているからです。

行ってみると、久しぶりに古いお付き合いのかや子さんが来ていました。やはり、去年ご主人が亡くなったのですが、最近教会にも見えていないとの事。お二人でアメリカの老人ホームに入っていらしたのですが、しばらくあれこれ話をしたり、聞いたりして良い時間を持つことが出来ました。伺ってみるとやはりアメリカの食事だけではもたないそうで週に2〜3回は外に食べに出るとの事でした。ここで、かや子さんとおしゃべりをしていたところに、ノークロス教会の山口さやかちゃん(学生の世話をしている)から電話が入り、ケネソーの近くにホームスティをしている方がいて、車が無いので今訪ねてきているんだけど、私のところからは遠すぎるので、お世話をお願いしたい、との事でした。帰ってからメールで連絡を取り住所をもらい、翌日リンに地図を打ち出すことをたのみますと、これからなら時間があるから案内してあげる、と言ってくれました。それはありがたい、とすぐ出かけました。あいにくお留守でしたが場所が分りました。その後、月曜日が試験休みだと言うので、会いに行きました。すると、何と、厚木の隣、相模原から来た方で、上溝の高校を出て、海老名の会社に8年勤めていた方、どこかですれ違ったことがあるかもしれない、と言う方でした。共通の話題も沢山あって楽しい出会いになりました。今は忠信の留守中ですが、マイケルが自分で運転して大学〜高校へと行きますし、教会へもデービッドを乗せていけるようになりましたので、ほとんど送迎の仕事がなくなりました。マイケルは卒業が近づいたので、さまざまな行事に追われています。2月20日にはある大学でコンサートがあったのですが、第二部として23の高校から133名のメンバーが集められて世界的な音楽家の指導による演奏会がありました。私たちも聞きにいったのですが、部屋が暗くなって素晴らしいマーチの演奏が始った時、音楽好きだった主人が楽しそうに体をゆすって聞いていた姿が思い出されて、それから2.3日涙の中に引き戻されてしまいました。今日3月13日、マイケルは、「正装」で歴史のある「フォックス劇場」で行われる卒業生だけの「フォーマルなパーティー」に出かけました。さすがにダウンタウンまでの運転は不安らしく、ママに送ってもらうことになりました。ママの方は入れないので、どこかで時間つぶしをするようです。デービッドはそんなに長い時間縛られるのがイヤだと言う事で、家に残り、私と一緒にウォールマートまで、土を買いに行ってくれました。16歳ですが、大人が乗っていれば運転をして良いそうで、その後夕食のため、ピザやさんまでの運転も全部デービッドがしてくれました。とてもよくお手伝いをしてくれました。その代わりと言うわけで、かねてから行きたがっていたと言う、テレビにも登場するピザやさんに行ったわけです。特徴と言うのはとても薄い生地ですが、大きいものは直径1メートルもある様な鉄板で焼いて持ってきてくれます。どうやらおばあちゃんをびっくりさせたかったようです。

勉強会の方は、川田みよ子さんの日本への帰国前に、ケンタッキー州のシンシナティーに出来た「クリエーション・ミュージアム」(創造博物館)へツアーを組んで見物に行きたいと言う夢が具体的になって6月8〜10日、2泊3日と計画が立てられました。

春もそこまで来ているようです。皆様お元気で。

郁子

ひとり旅 やっとなっとく ふみだせば ふきのとう二つ 春をささやく

うせ物は 一瞬にして 驚天動地 主の名を呼びつつ 右往左往(バッグをなくす)

見つかった、連絡あったと 知らされて 神共にいます わが幸を謝す(20分間)

陽を受けて キラキラ光る 雪面は くらぶるものなき 美しさかな(大雪)

一夜明け 別世界見る たのしさよ 雪降る国の 友ら思いつ

パスポート 十年の期限 切れんとす 今一人分のみ 申請にいく

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