一麦:渡辺家のHP
アトランタ発第93便
2010 9 27
猛烈な暑さに悩まされた今年の夏もやっと終わった様で、過ごし易い毎日がもどってきました。日本では、台風シーズンですからまだまだ油断は出来ないでしょうが、一息ついていらっしゃるのではないでしょうか? いかがお過ごしですか。
9月7日には主人が召されて一周年と言う特別な日を迎えましたが、多くの方々の愛とお心遣いを頂いて、此処まで来られた事を感謝しました。教会ではお花をいただきましたし、翌日はノークロスの酒巻先生たちと家族揃って会食をしました。レイバーデーの祝日でお休みがつづいたので、アセンズのジョージア大学の寮に入っているマイケルも帰って来ていて参加することができました。
この一年 「夢か」と錯覚(おもう)瞬間(とき)あれど
しみじみ思う 過ぎし半世紀
記念日に 親しき者らと あい集い
何言わずとも 心の慰む
92便でキーウェストに行った事や、キャンプのことなど「忙しかった夏」をかきましたが、夏の予定がすべて終わって少しのんびりしていたところで、8月17日(日本時間では18日)にほとんど同時と思われる様に、アイダホのミセスフェーデルと軽井沢の土屋文子さんが天国に召された、と言う連絡がはいりました。お二人とも高校生時代からのおつきあいで、身内の様な方でした。そして二人とも80歳をはるかに超えたお年で、かわいいひ孫も見て喜んでおられました。ミセスフェーデルとは、一昨年主人と一緒にお見舞いに行き、「今度は天国で」とお別れをすませてありましたし、文子さんとは、帰国する度に「また会えた」とよろこんでいた事でした。召される2、3日前に妹玲子がお見舞いに行ってくれて、私の事なども話題になっていたとのことです。このアトランタ便を楽しんでいて下さったお一人でした。
確か、内村鑑三の言葉だったと思いますが、娘さんの葬儀に際に、「地上では一人失ったが、天国では一人増えている」といわれたそうです。私も「寂しさ」と言う学習は体験している所ですが、人生では避けられない定めです。でも、聖書に教えられている通り、「死」と言うものが、「すべての終わり、すべて消えて無くなってしまう」事ではなく、「有限の世界から無限、永遠の世界への移転」と知る時、単なる寂しさだけでなく、「天国での再会と言う希望」を持てる事を嬉しく思っています。
この「永遠」という言葉については、今、勉強会で「創世記」を学びながら、よく考えますが、考えても考えても理解出来ません。創世記1章1節に有名な「初めに神が天と地を創造された」と言う言葉がありますが、あの同志社大学を立て上げた新島襄はこの言葉を深く理解して信仰を持ったといわれています。つまり、この言葉の中に「時間(過ぎ去るもの)と空間(定められた場所)物質(見え、触れる)」の連続一体からなる「有限の世界」(見て触れる)が神によって創造された(引き出された)とあるのですが、それをあの時代に理解し、創造主である神に、被造物人間として聞き従う決心をしたという事で、そのすごい理解力に感心しています。場所が大きな教会の中に変わって、距離的には集まり易い事になったのですが、勉強の後の「おしゃべり」と「持ち寄りランチ」の楽しみがなくなりました。でも、新しい方々も加わったので、2時間目は私の「解説と短い聖書のお話」の時間にしてもらいました。時間の許される方とは、その後で、近くのレストランに行って「食べながらの続き」時間を持っています。
8月の特記事項としては、頼子とリンが揃って「石」に悩まされた事があげられます。頼子のは胆のうが原因で、リンのは腎臓が原因です。頼子の方は、このまま、油を一切取らない食事を続けるよりは「胆のう」を取ってしまう方が良いと決断し、手術を受けました。「日帰り手術」で会社も一週間の休みを取っただけで復帰しました。私も一週間、あちらに行っていました。リンの方は度々ですが、取ってしまう事も出来ませんから、水を沢山飲む事、ホーレンソウやクランベリージュースには注意するなど気を遣いながら、と言うことです。
9月18日には例年開かれている「ジャパンフェスタ」がありました。頼子の所に、グレースからチケットがあるから行かないかと誘いがあり、三人で出かけました。でも、グレースはまた「抗がん治療」が始まっていて、前の晩も薬のせいか、良く寝られなかった、と疲れた顔であらわれました。やめた方が良いのではないかと思ったのですが、どうしても行きたい様子、買い物もすると言っておおきな袋まで持って来ています。運転はしたくないというので、頼子の車で出かけ、「食べ物コーナー」でうどんとかカレー、アイスクリームなどを食べて、1時間ほど一回りして、もちろん買い物もして帰ってきました。お天気も良く、2万人くらいの人出だったのではないかと思います。松井家に帰りついた所で、階段もあがらず、ソファーに横になったグレースはそのまま3時間も休んで、やっと体力を回復し、帰っていき行きました。一度生え揃った髪の毛もまた抜けてしまっているのですが、「真っ赤な」帽子をかぶって出歩こうとするその気力には感心しています。
頼子の手術の次の週末に、前からお待ちしていた小鹿野ご夫妻がサウスキャロライなのシャーロットからおいでになりました。日本語の補習校(土曜日だけ)の校長先生です。日本の坂戸教会のメンバーです。今回はアトランタ校で授業研究会があったためですが、アトランタは初めてと言う事で奥様もご一緒にいらっしゃいました。シャーロットは金融、経済面では中心的なところだそうですが、町の規模ではアトランタの広さに驚いたとおっしゃっていました。初めはご自分の車で来られるつもりだったそうですが、腰を痛められて飛行機になさいました。こちらでは「シャーロットから飛行機」と聞いて飛行場までの時間を入れたら同じくらいで着くよ、といわれましたが、アトランタの大きさ広さを体験されて、「やはり、飛行機にして良かった」と胸をなでおろしていらっしゃいました。運転の難しい地域を回ったからでしょうが、長距離の運転も初めてと言う事でしたから尚更だったのだと思います。とにかく金曜日の朝、ダウンタウンを通り抜けて飛行場まで運転出来る人がおりません。タクシーでと、お願いする事まで考えましたが、幸い教会のナルド会が8月一杯お休みという事が分かり、恒義さんにお願いする事ができました。飛行場への出迎えだけでなく、帰りには、先生がどうしても見たかったと言うキング牧師の生家や教会、博物館をゆっくり見ていただき、私も自分では行くことができない市内観光をしてもらうことができました。土曜日は、先生は授業研究です。圭三さんもそれに出席する訳ですので、ホテルから学校までのすべてを頼んでお委せし、私は奥様だけの観光のお相手でした。エミさんに運転をお願いして山の中にある可愛らしいおとぎの國の様な「ヘレン」まで行って来ました。最後の日曜日はウェストミンスター教会で礼拝でした。あいにく「ランチの無い週」で、しかも、クリスマスの人形劇の録音日にあたっていて、恒義さんも「声優–おじいさん役」として出演するそうで、いそがしくて教会を出る事ができません。どこのレストランにご案内しようかと思っていましたら、お誘いくださる方があって、「アトランタで一番?おいしい」と言われるお寿司屋さんにご案内することができました。大満足でお帰り頂くことが出来、喜んでいます。
終わりに、お祈りのお願いです。14日の火曜日に良子ガンターさんの息子さん夫婦がバイクに乗っていて、車にぶつけられ、大けがをなさいました。お嫁さんは足の小指あたりの骨を折った、と言う軽傷でしたが、息子さん(警察官)は大変な複雑骨折で、発熱、むくみもひどくて手術も出来ないで一週間を過ごしましたが、とうとう、右足を膝下 6インチで切断されました。良子さんには3人の子どもさんがあるのですが下の息子さんは10年?前の交通事故で寝たきりの生活をしています。娘さんは精神的に不安定な病気でお家におられます。これで3人の子どもさんはみんな障害を持つことになってしまいました。
私は思わず、聖書の中の(ヨブ記)「苦しみの人ヨブ」の事を思いました。
ヨブは大変な苦しみの中でも「主は与え、主は取られる。主のみ名はほむべきかな」と言って神に愚痴をこぼさず、罪を犯さなかったとあります。でもそれがどんなに大変な事かよくわかります。どうぞ、祈って上げて下さい。
毎日窓辺のえさ場で楽しんでいるハミングバード(世界最小のはち鳥)が、間もなく大きな鳥の羽の中にかくれて南に向うとききました。親指ほどの大きさですから考えられることですが、創造主の智慧に脱帽です。
どうぞ、皆様のご健康とご生活が守られます様に。ご祝福を祈りつつ。
郁子