Tad's ボルチモアダイアリー

 先週、現在共同研究をしている同僚二人との打ち合わせに出かけていたことは前にも書いたが、その時、日本の小学校にナイフを持った男が乱入して、子供を何人か殺害したという話を聞いた。そのあと、新聞やニュースでは何もわからず、今日やっとインターネットで読売新聞をチェックして詳細を知った。

 サリン事件などの本当に何の関係ない人を巻き込んだ事件というのは本当に憤りを感じるが、さらにそれが子供たちを巻き込んでいると心が痛む。しかし、今回一番ショックだったのは、この事件が大阪教育大学附属池田小学校で起こったということだ。去年の11月、算数科の研究会で私は池田小に一日お邪魔している。その時、私は4年生の授業を見せてもらったが、1年生の授業も確か公開していたと思う。その時の子供たち、また算数科の先生方のことが大変気になる。

 アメリカであった、学校での事件のことは知っている人が多いと思うが、日本ではまずないだろうと思っていたのがこうして実際に起こってしまった。去年日本にいて、日本は本当に治安のいい国だと思った。子供たちが歩いて自分たちだけで通学でき、放課後も児童館などで自由に、あまり大人に干渉(監視?)されずに遊べるというのはいいことだと思った。また、親もそうして子供たちが外で遊んでいてもあまり心配しなくていい。アメリカではなかなかそうはいかない。田舎の小さな町では、まだそういったところもあると思うが、大きな町・郊外ではなかなかそうはいかない。

 また、日本の学校は開けていていいなとも思った。今我家の子供たちが行っている学校では、9時5分まで、子供たちは学校の建物の中に入ることができない。また、放課後もそれぞれの教室のドアもカギがかけられてしまっていることもある。日本では、学校に早く着いた子供たちは勝手に自分の教室に行きそこで友達と遊んだり、動物・花などの世話をするのが当然のように行われていた。こうした小さなことも、子供たちの成長する中で一つの支えになっているのではないかと思う。

 今回の事件を受けて、多くの学校では警備体制を強化することになると思うが、子供たちが子供として自由に暮らしていける環境をできるだけ守って欲しいとも思う。

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